ターニングセンタに心間1250仕様を追加、長尺ワークの高精度加工にも対応:工作機械
DMG森精機は、ターニングセンタ「NLX 2500 2nd Generation」に心間1250仕様を追加した。高い加工精度と加工能力を両立しており、シャフト系長尺ワークの加工にも対応する。
DMG森精機は2025年9月19日、ターニングセンタ「NLX 2500 2nd Generation」に、心間1250仕様を追加したと発表した。
NLX 2500 2nd Generationは、従来機から棒材の作業能力をφ105mmに、Y軸移動量を120mmに拡大した。また、BMT(ビルトインモータータレット)の出力を強化しており、ミーリング主軸の最高回転数が1万2000min-1と、40番マシニングセンタと同等のミーリング性能を備える。難削材やアルミ加工まで幅広く対応可能だ。
X/Y/Z軸に摺動面案内構造を採用したことで、優れた剛性と振動減衰性を発揮し、長尺ワークの重切削加工でも安定した加工ができる。デジタルツインを活用した設計とマグネスケール製のMAP補正機能により、C軸位置決め精度0.001度を達成(保証値は0.003度)。ギヤ加工の精度向上や輪郭追従性の改善も図った。
機械の動力熱、加工熱、環境温度変化への対策も取られている。熱設計の最適化により、1日連続加工しても径方向の変位を7μm以下に抑える。
加工安定性や作業環境に悪影響を及ぼす、切りくず、クーラント、ミストに対しては、革新的なオプションが用意している。大容量クーラントタンク「zero-sludge COOLANT」やミストを効率的に捕集する「zero FOG」、可変圧力が最大10MPaの高圧クーラントユニット、冷却装置、サイクロンフィルターを1カ所に集約。加工環境の改善に寄与する。
さらに、ワーク質量115kgまで対応する自動化システム「Robo2Go Max」を搭載し、長尺、重量ワークの無人加工も可能になった。
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