防衛や高セキュリティ環境向けの3Dプリンタを発表:3Dプリンタニュース
UltiMakerは、防衛や高セキュリティ環境で利用可能な3Dプリンタ「Secure Line」シリーズを発表した。「S6 Secure」「S8 Secure」の2機種を主力製品とする。Wi-Fi非対応かつ外部カメラ非搭載で、データ窃取や遠隔侵入のリスクを低減した。
UltiMakerは2025年9月10日、防衛や高セキュリティ環境で利用可能な3Dプリンタ「Secure Line」シリーズを発表した。「S6 Secure」「S8 Secure」の2機種を、当面の主力製品とする。
Secure Lineは、軍事基地や海上展開などの厳しい環境でも運用できるよう、コンパクトかつ堅牢な筐体となっている。エアギャップ方式を採用し、ワークフローはUSB接続のみとなる。Wi-Fi非対応かつ外部カメラ非搭載で、未認証サードパーティーデバイスの接続を排除し、データ窃取や遠隔侵入のリスクを低減した。
工場出荷時にフラッシュ済みで、改ざん耐性を備えるファームウェアを搭載する。また、暗号化され、監査可能なファイル処理にも対応する。これらの機能により、移動部隊、軍事基地、海軍展開において、重要部品やツールをすぐに製造できるようになる。サプライチェーンへの依存を軽減し、ダウンタイムの最小化も期待される。
また、モーションプランナーの「UltiMaker Cheetah」や大流量のプリントコア、改良したフィーダーシステムを搭載し、生産性を最大4倍に高めた。「UltiMaker Marketplace」で提供するエンジニアリンググレード材料やマルチマテリアル印刷機能と組み合わせることで、複雑な用途でも活用可能だ。
両機種はオランダの自社施設で製造し、欧州基準の品質、セキュリティ、コンプライアンスに準拠する。製品は限定ロットで提供し、全機種に2年間のサポートサービスが付帯する。防衛産業関係者の要件に合わせたカスタマイズも可能だ。
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