マルチカラー印刷やAI監視機能を搭載する3Dプリンタの最新モデル:3Dプリンタニュース
Shenzhen Creality 3D Technologyは、フラグシップ「K」シリーズの最新モデルに位置付けられる3Dプリンタ「K2 Pro」「K2」を発表した。マルチカラー印刷やAI監視機能、次世代性能を備える。
Shenzhen Creality 3D Technology(Creality)は2025年8月25日、フラグシップ「K」シリーズの最新モデル「K2 Pro」の販売を開始した。同シリーズの「K2」も近日中に発売予定である。K2 Proの価格(税込み)は、スタンダードモデルが13万6000円、CFS(Creality Filament System)付きのコンボモデルが15万3000円だ。
2024年に発売された「K2 Plus」と同様、K2 ProおよびK2もマルチカラー印刷に対応しており、最大4台のCFSを接続することで、最大16色のフルカラープリントが可能だ。また、水溶性や取り外し可能なサポート材を利用でき、後処理の手間を軽減する。
Creality RFIDフィラメントの使用時は、CFSがフィラメントの種類や色を自動で認識する。残量がなくなった際も、別のスロットに同一のフィラメントがあれば、自動的に印刷を継続する。また、未使用時はフィラメントを内蔵乾燥剤で保管し、ディスプレイ上で温湿度や接続台数を確認できる。
両製品ともに、堅牢(けんろう)なダイカスト製アルミ合金フレームを採用している。特に、X軸のリニアレールには耐摩耗性の高いスチールが使用されており、高精度な動作を長期間にわたって維持できる。ステップサーボモーターシステムとの組み合わせにより、最高600mm/sの高速印刷性能と2万mm/s2の加速度が得られる(先行モデル「K2 Plus」では最大3万mm/s2)。
K2 Proは、アクティブチャンバー加熱機能を搭載している。最大60℃まで加熱可能なチャンバー機能や密閉型エンクロージャー、パーツ冷却ファン(K2 Plusには2基搭載)、最大40mm3/sの高流量に対応する耐摩耗性に優れたハード化スチールノズルにより、PA-CFやPPA-CFといった高難度かつ超高性能なフィラメントの造形にも対応する。一方、K2にはチャンバー加熱機能は搭載されていないが、ABSやPLA-CFなどのエンジニアリング系フィラメントを安定して出力できる。
さらに、K2製品群はAI(人工知能)カメラを搭載している。全てのモデルがチャンバー内AIカメラを装備しており、スパゲティエラーの検知やプレート未装着時のアラート発信に対応する。K2 ProにはノズルAIカメラも搭載されており、流量の自動調整や廃材シュートの詰まり検知などを通じて、マルチカラー印刷の成功率を高めている。
いずれのモデルも静音モードでの造形が可能で、操作性に優れた4型タッチスクリーンを搭載している。モデルの造形範囲のみを迅速に測定し、作業効率を向上させるオートレベリング機能も備える。ネットワーク機能はUSBおよび2.4GHz Wi-Fiに対応し、K2 Proはイーサネットポートも搭載する。ストレージ容量は、K2が8GB、K2 Proが32GBであり、大容量モデルのファイル保存にも対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
万博で好評の3Dプリンタ製“藻類スツール”を一般販売
エス.ラボは、自然由来の微細藻類と植物由来のバイオエンプラを活用した「藻類スツール」の販売を2025年10月14日より開始する。藻類スツールは「蓮/REN」としてブランド展開を進めていく。家だけじゃない、お墓も3Dプリントする時代に
MAT一級建築士事務所は、建設用3Dプリンタを活用した墳墓(お墓)を製作。材料にモルタルを用いており、墓石の造形に約15分、周囲の花壇や壁の造形に1時間程度を要した。MEX方式3Dプリンタの常識が変わる!? 脱一筆書きを実現するシャットオフノズル
ExtraBoldは、同社の大型3Dプリンタ「EXF-12」および「REX-Series BUTLER fabrication」に、オプションとして後付け可能な「シャットオフノズル」を2025年内に製品化し、販売を開始すると発表した。トヨタが北米拠点で3Dプリンタを本格活用 現場主導で治工具などを短期開発
Stratasys(ストラタシス)は、トヨタ自動車の生産技術グループが、同社との戦略的提携を通じて生産現場でのイノベーションを加速させることを発表した。3Dプリントシューズを体感できるポップアップストア登場 都内商業施設で初出店
APPLE TREEは3Dプリント技術を活用した次世代シューズブランド「STARAY」のポップアップストアを有楽町マルイの1階に出店する。建設用3Dプリンタで製造した防音壁 複雑曲面形状は独自プログラムで半自動生成
日揮ホールディングスは、同社の海外EPC事業会社である日揮グローバルが建設用3Dプリンタを用いて製造した複雑曲面の防音壁が、国内プラント建設プロジェクトの現場に設置されたことを発表した。