日立傘下のJRオートメーションがグローバル本社を新設、スマート製造の拠点に:製造マネジメントニュース
日立製作所の米国子会社であるJRオートメーションは、米国ミシガン州ジーランドに新たなグローバル本社を建設すると発表した。投資金額は7280万ドルで、2026年秋頃に完成する予定である。
日立製作所(以下、日立)の米国子会社であるJRオートメーション(JR Automation Technologies)は2024年9月3日(現地時間)、米国ミシガン州ジーランドに新たなグローバル本社を建設すると発表した。投資金額は7280万ドル(約108億円)。同月17日に起工式を行い、2026年秋頃に完成する予定である。

戦略会議に参加した日立幹部、JRオートメーション経営陣、ミシガン州知事ら。前列左から3番目が日立アメリカ 社長兼CEOの竹内康浩氏、4番目が日立 取締役会長 代表執行役の東原敏昭氏、5番目がミシガン州知事のグレッチェン・ホイットマー氏[クリックで拡大] 出所:日立
新本社は、グローバル顧客との協創の場や、最新オートメーション技術のデモンストレーションのための近代的なスペースを設ける。延べ床面積は約2万6570m2で、約700m2のオフィススペースと、約1万9500m2のオートメーションプロジェクトの組み立てスペースを含む。JRオートメーションのミシガン州西部の各拠点から約350人の従業員が集結する事業所となる。
今回の投資を決定した戦略会議には、日立幹部とJRオートメーション経営陣に加えミシガン州知事のグレッチェン・ホイットマー(Gretchen Whitmer)氏などが参加し、投資によるイノベーション創造への期待と、ミシガン州と日立がパートナーシップを組むことで同州を製造業技術の拠点として成長させていく姿勢を確認したという。
日立アメリカ 社長兼CEOの竹内康浩氏は「ミシガン州でJRオートメーションの能力を強化することで、デジタルツインやエッジコンピューティング、AI(人工知能)を融合した『One Hitachi』による画期的な技術拠点としたい」と述べた。
今回の新本社建設は、日立によるドイツのロボティクスSI事業会社であるMA micro automationの買収やシンガポールでの拡張を通じ、JRオートメーションがグローバル展開を加速させている中で行われる。
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