ニュース
1005Mサイズで最大となる静電容量47μFの積層セラミックコンデンサー:組み込み開発ニュース
村田製作所は、1005Mサイズで最大となる静電容量47μFの積層セラミックコンデンサーの量産を開始した。静電容量が同じ同社従来品と比べて実装面積が約60%削減し、同サイズ品と比べて静電容量が約2.1倍になった。
村田製作所は2025年7月10日、1005Mサイズ(1.0×0.5mm)で最大となる、静電容量47μFの積層セラミックコンデンサーの量産を開始したと発表した。
同コンデンサーは、独自のセラミック素子と内部電極の薄層化技術により、同社従来品で同じ静電容量47μFの製品(1608Mサイズ)と比べて実装面積が約60%削減した。また、同じ1005Mサイズの製品(22μF)と比べて静電容量は約2.1倍になった。最大105℃の高温環境下でも使用できるため、IC近くに配置できる。
同コンデンサーは2種で、使用温度範囲−55〜+105℃、温度特性がX6S(EIA)の「GRM158C80E476ME01」と、使用温度範囲−55〜+85℃、温度特性がX5R(EIA)の「GRM158R60E476ME01」がある。静電容量の許容差はどちらも±20%だ。
データセンターでは、AI(人工知能)サーバなど高性能IT機器の普及が急拡大している。これらの機器には多くの部品が搭載されるため、限られた回路基板内での効率的な部品配置が必要になる。さらにコンデンサーにおいては、小型化と大容量化に加え、回路基板やICの熱による高温環境下で使用できる高信頼性も求められている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
村田製作所がマイクロ一次電池事業をマクセルに譲渡、円筒形二次電池に集中
村田製作所が、マイクロ一次電池事業をマクセルに譲渡する。コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池、アルカリボタン電池などが同事業に含まれる。村田製作所は今後、円筒形リチウムイオン二次電池事業に注力する方針だ。電子部品業界初 村田製作所が主要部材の銀を水平リサイクル
村田製作所は、EMI製品の主要部材として使用する銀(Ag)の水平リサイクルシステムの構築に成功した。ソフトウェア無線とミリ波通信モジュールによるローカル5Gミリ波対応基地局を開発
東京大学と村田製作所は、SDRを活用した小型ローカル5G基地局とミリ波通信モジュールを組み合わせ、ローカル5Gミリ波基地局を開発した。市販端末との接続検証では、いずれも良好なスループット性能が得られた。3216Mサイズの静電容量を2012Mサイズで実現した車載積層セラミックコンデンサー
村田製作所は、車載市場向け2012Mサイズ、定格電圧50Vdcにおいて静電容量10μFの積層セラミックコンデンサーを開発し、量産を開始した。従来品に比べて約47%小型化、約2.1倍大容量化している。1608Mサイズで静電容量100μFの積層セラミックコンデンサーを発売
村田製作所は、1608Mサイズで、静電容量100μFの積層セラミックコンデンサー「GRM188C80E107M」「GRM188R60E107M」を発表した。最大105℃の高温環境下に対応し、コンデンサーをIC近傍に配置できる。0402Mサイズで静電容量1.0μFの積層セラミックコンデンサー
村田製作所は、0402Mサイズで静電容量1.0μFの積層セラミックコンデンサー「GRM022R60G105M」「GRM022R60J105M」を発表した。スマートフォンやウェアラブル端末などの小型化に貢献する。