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がん治療の個別化に寄与する、高精度放射線治療ソリューションを発売:医療機器ニュース
バリアン メディカル システムズは、次世代の高精度放射線治療ソリューション「RapidArc Dynamic」の販売を開始した。IMRTやVMATに続く技術として、精密で自由度の高い治療を可能にする。
バリアン メディカル システムズは2025年7月1日、次世代の高精度放射線治療ソリューション「RapidArc Dynamic」の販売を開始した。放射線治療計画ソフトウェアの最新版「Eclipse 18.1」や、放射線治療装置「TrueBeam」のバージョン4.1のオプション機能として提供する。
放射線治療で用いられるIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy、強度変調放射線治療)やVMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy、強度変調回転放射線治療)に続く技術として、精密で自由度の高い治療を可能にする。
RapidArc Dynamicは、コリメーター角度をリアルタイムで調整して高精度に照射する「Dynamic Collimator Rotation」機能を備える。また、単一フィールド内においてIMRTの方向制御とVMATの効率性を両立する。
ガントリーの回転を一時的に停止することで、重要角度で高精度に照射を制御できる。GPUベースの次世代アルゴリズムにより、複雑な症例への対応力を向上しつつ、迅速で高品質な治療計画を提供する。
これらの機能により、治療計画の立案や診断から治療までに要する時間を短縮できる。他に、正常組織への線量低減や、腫瘍に線量を集中させる性能の向上など、臨床的な効果が期待される。
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