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ニデックのAIデータセンター向け水冷システムがWind River Linuxを採用:組み込み採用事例
ニデックは、AIデータセンター向け水冷システムに「Wind River Linux」を採用した。Wind River Linuxはサポート体制が充実し、製品出荷後もセキュリティの脆弱性に対応できる。
ウインドリバーは2025年6月24日、「Wind River Linux」が、ニデックのAI(人工知能)データセンター向け水冷システムに採用されたと発表した。
ニデックの水冷システムで使用するCDU(Coolant Distribution Unit)は、冷却液を各サーバへ送り出し、プロセッサの冷却により温められて戻ってきた冷却液を熱交換器で再び冷却して送り出す機能を持つ。サーバの稼働状態や冷却液の温度変化を常時監視し、送り出す冷却液の流量を制御するなど、サーバを加熱から守り、計算パフォーマンスを引き出すための機能を担う。
今回、ニデックの水冷システムの監視や操作を行う制御システムのLinux OSとして、堅牢でセキュアなWind River Linuxを採用した。Wind River Linuxは製品開発時のサポート体制があり、製品出荷後もセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性の常時監視やセキュリティパッチの提供に対応できる。
近年、データセンターでは、CPUやGPU、ASICなどの高性能化に伴う熱負荷が増大している。そのため、従来のファンによる空冷式の冷却システムに代わり、より高い冷却能力を持ち、消費電力を削減できる水冷システムへのニーズが高まっている。
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