SDVの開発に向けて採用されたDevSecOpsプラットフォーム:組み込み採用事例
Tata Elxsi(タタ・エレクシー)が、SDV開発向けにWind River(ウインドリバー)のDevSecOpsプラットフォーム「Wind River Studio Developer」を採用した。同プラットフォームは、ソフトウェア定義の機能をライフサイクル全体にわたって進化、改善できる。
Wind River(ウインドリバー)は2024年8月8日、同社の「Wind River Studio Developer」を、Tata Elxsi(タタ・エレクシー)がSDV(ソフトウェア定義型自動車)の開発力強化のため採用したと発表した。
Wind River Studio Developerは、エッジからクラウドまでをカバーするDevSecOps(開発、セキュリティ、運用)プラットフォームだ。重要なシステムの開発からデプロイ、運用に至るまでのプロセスを支援する。
クラウドネイティブ開発機能の導入が簡略化するよう設計されており、ソフトウェア定義の機能をライフサイクル全体にわたって進化、改善できる。また、拡張性のあるクラウドリソースを用いて、自動化パイプラインの標準化やクラウドベースの共同作業を促進する。開発プロセス全体のトレーサビリティーが強化され、ソフトウェア開発の生産性、効率性が向上する。
自動車業界では現在、クラウドに接続するソフトウェア定義型車両への移行を進めており、ソフトウェアのライフサイクルを管理するDevSecOps戦略が必要とされている。Wind RiverのクラウドネイティブDevSecOpsツールは、既存のソフトウェアおよびIT開発インフラを活用しつつ、開発チームが段階的にワークフローとプロセスを改善できるようサポートする。これにより、開発の中断を最小限に抑えて、既存システムを強化できる。
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