FPGA向けに1レーン当たり最大8Gbpsの次世代高速インタフェース標準技術を提供:組み込み開発ニュース
ザインエレクトロニクスは、FPGA向けに次世代高速インタフェース標準技術「V-by-One HS plus Standard」の提供を開始する。V-by-One HS plusに準拠するLSIや映像機器の開発期間を短縮し、利便性を向上する。
ザインエレクトロニクスは2025年6月16日、FPGA向けに次世代高速インタフェース標準技術「V-by-One HS plus Standard」の提供を開始すると発表した。
同技術は、4K/8Kテレビなどの高品質ビデオ信号機器内伝送において、事実上の世界標準となる「V-by-One HS」を発展させた次世代標準技術だ。1レーン当たり最大8Gbpsで、高解像度および高フレームレート化に対応。ケーブルやコネクター、LSIの小型化、最適化により、システムコストや消費電力、基板面積を削減する。
また、高性能イコライザーを定義することで、従来システム構成での高性能化に対応する。V-by-One HSの基本プロトコルと設計手法を利用できるため、従来ユーザーは容易に移行できる。
同社は、V-by-One HS plus技術を適用した開発プラットフォームを構築するため、同技術の普及に賛同する複数のパートナー企業とコラボレーションを進めている。今回、マクニカが開発、製品化したV-by-One HS plus対応IPソリューションは、FPGA向けのIPデザインだけでなく、FPGAメーカーの開発キットに対応する評価ボードを同時に提供するため、ユーザー企業の開発期間や工数を削減する。
V-by-One HS plus技術の適用環境がFPGA向けに拡充されることで、V-by-One HS plusに準拠するLSIや映像機器の開発期間を短縮し、利便性を向上する。量産フェーズでも、FPGAの活用範囲が広がる。特に産業用、医療用ディスプレイ、カメラなどの映像機器にはFPGAが使われているケースが多いため、部品の追加を抑えて同技術が導入できれば、システムコストの低減にもつながる。
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