AIプラットフォームのビジョンと、AI向けシリコンやソフトウェアを公開:人工知能ニュース
AMDは、「Advancing AI 2025」イベントにおいて、AIプラットフォームのビジョンを発表した。シリコン、ソフトウェア、システムにわたる戦略を公開している。
AMDは2025年6月12日、「Advancing AI 2025」イベントにおいて、AI(人工知能)プラットフォームのビジョンを発表した。シリコン、ソフトウェア、システムにわたる戦略を公開している。
同社は、「AMD Instinct MI350」シリーズGPU、次世代AIラックスケールソリューション「Helios」、オープンソースAIソフトウェア「ROCm 7」などを中核に、オープンなAIプラットフォームの構築を目指す。
MI350シリーズは、前世代比で最大4倍のAI計算性能と35倍の推論性能を実現した。「MI355X」は、競合製品と比較して、1ドルあたり最大40%多くのトークンを生成できる。
Heliosは、「AMD Instinct MI400」シリーズGPUを中心に構成し、Mixture of Expertsモデルの推論処理において、前世代比で最大10倍の性能向上が見込める。さらに「Zen 6」アーキテクチャを採用した、AMD EPYC「Venice」CPUおよびAMD Pensando「Vulcano」NICを搭載予定だ。
ROCm 7は、生成AIやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向けに設計。業界標準のフレームワークへの対応強化、ハードウェア互換性の拡大、開発ツールやドライバ、API、ライブラリの追加によってAIの開発から運用までを支援する。
AMDは、2030年までに、ラックスケールでのエネルギー効率を2024年比で20倍に引き上げるという目標も発表した。現在は275ラック以上かかるAIトレーニングが2030年には1ラック未満で完結し、消費電力は最大95%削減すると見込んでいる。
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