シーメンスとNVIDIA、パートナーシップ拡大で製造現場向けAI機能を強化:製造現場向けAI技術
Siemens(シーメンス)は、NVIDIAとのパートナーシップを拡大すると発表した。「Siemens Xceleratorプラットフォーム」とNVIDIAのAIおよびアクセラレーテッドコンピューティングを連携させ、工場現場の変革と、グローバル製造業におけるAIの機能強化を目指す。
Siemens(シーメンス)は2025年6月11日(現地時間)、NVIDIAとのパートナーシップを拡大すると発表した。「Siemens Xceleratorプラットフォーム」とNVIDIAのAI(人工知能)およびアクセラレーテッドコンピューティングを連携させ、製造業の生産現場の変革と、グローバル製造業におけるAIの機能強化を目指す。
Siemensの「Teamcenter Digital Reality Viewer」は、リアルタイムレイトレーシング機能により、製品の写実的なデジタルツインをシームレスに可視化、操作できる。「NVIDIA Blackwell GPU」とSiemensの流体力学シミュレーションソフトウェア「Simcenter Star-CCM+」の組み合わせにより、製品の仮想シミュレーションとテストの速度が大幅に向上する。
また、NVIDIA GPU認証を受けたSiemensの産業用PC(IPC))シリーズは、熱やほこり、振動に強く、24時間365日の稼働が可能だ。強力なAI支援産業用コンピューティングを可能にし、AIベースのロボティクスから品質検査、予知保全まで幅広く対応。AI実行速度は25倍に加速する。
AIエージェントは、「Siemens Industrial Copilotポートフォリオ」全体でシームレスに動作し、人の介入なしにAI駆動のプロセス全体を実行する。「Siemens Industrial Copilot for Operations」は、製造現場のオペレーターに生成AIを提供。「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPU」により、オンプレミスでの最適化運用が可能になる。
さらに、「NVIDIA NeMoマイクロサービス」とビデオ検索、要約用の「NVIDIA AI Blueprint」を活用し、製造現場業務向けにリアルタイムのAI支援を提供することで、事後保全時間を30%削減。「NVIDIA BlueField DPU」の統合により、サイバーセキュリティ運用を強化し、運用技術におけるサイバーセキュリティの新分野を開拓する。
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