環境負荷低減と作業性向上を図った型締力850tのダイカストマシン:工作機械
芝浦機械は、環境負荷の低減と作業性の向上を図ったダイカストマシン「DC-R2」シリーズに、型締力850トンの「DC850R2-M」を追加した。型締力を強化し、厚肉、薄肉を問わず幅広い製品を安定して成形できる。
芝浦機械は2025年5月23日、高生産かつ環境負荷低減型ダイカストマシン「DC-R2」シリーズ」に、型締力850トン(t)の「DC850R2-M」を追加したと発表した。従来モデルに比べ、型締力が向上している。
DC-R2シリーズは、これまで型締力250t、400t、500t、650tを展開しているが、DC850R2-Mが加わったことで計5種類の型締力から選択可能になった。制御装置には「TOSCAST-999」を標準搭載し、19インチの大型タッチパネルを採用。2画面同時表示、多言語表示、ユーザー管理などの機能を備え、オペレーターの負担を軽減できる。また、ドキュメント機能によりPDFマニュアルや画像ファイルを直接参照することで、現場での段取りやトラブル対応に役立てられる。
DC850R2-Mは、従来シリーズ機の「DC800R」から型締力を約6%向上。型締力を強化したことで、厚肉、薄肉を問わず幅広い製品の成形が安定し、品質向上とリードタイム短縮を期待できる。
同年12月には、電動型締機構を標準搭載する「DC850R2-EM」も発売する計画だ。電動型締機構により、ショックレス動作、繰り返し精度が向上している。また、型締駆動に作動油を使わないため、油漏れを低減し、メンテナンス性を改善した。
型締動作と中子入りなどの動作を同時に処理することで、サイクルタイムの短縮も見込める。油圧式トグル機構とは異なり、型開限位置だけでなく任意の中間位置で可動金型を正確に停止可能。型寄せスプレイ動作による離型剤塗布など、さまざまなプロセスに対応できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
機械加工とは何か、元工作機械エンジニアが改めて考える
本稿では、元工作機械エンジニアが、機械加工とは何かについて改めて考えます。元工作機械エンジニアが見た、JIMTOF2024
元工作機械エンジニアがJIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)を振り返ります。CNCとは何か〜工作機械史上最大の発明
本連載では、工作機械史上最大の発明といわれるCNCの歴史をひもとくことで、今後のCNCと工作機械の発展の方向性を考察する。連載第1回目の今回は、まずCNCとは何かについて改めて説明する。芝浦機械が最小設定単位0.00001度、5軸制御精密マシニングセンタの新機種
芝浦機械は、超精密マシニングセンタ「UVMシリーズ」の新機種として、5軸制御の「UVM-450D(5AH)」を追加した。独自開発したHSK方式エアスピンドルを標準装備し、回転精度を維持しながら汎用性を向上させた。マザックが大型アルミダイカスト部品の加工に対応する横形マシニングセンタ
ヤマザキマザックは、大型アルミダイカスト部品の加工に対応する横形マシニングセンタ「FF-1250H」を発表した。自動車のサブフレームなどの大型かつ複雑形状のアルミダイカスト部品の量産加工に対応する。EV車体などギガキャストに対応、型締力7300tと4500tのダイカストマシン
UBEマシナリーは、電気自動車などの車体構造部品をアルミニウム合金で一体成形するダイカスト技術「ギガキャスト」に対応したダイカストマシン「UH7300」「UH4500」をラインアップに追加した。