トップランナー変圧器第三次判断基準適合の配電用変圧器を提供開始、日立産機:FAニュース
日立産機システムは、トップランナー変圧器第三次判断基準に適合した配電用変圧器「SuperトップランナーIII」を発売する。配電用変圧器「SuperアモルファスZeroシリーズ」も刷新し、待機電力を低減した。
日立産機システムは2025年5月16日、2026年度に改定されるトップランナー変圧器第三次判断基準に適合した配電用変圧器「SuperトップランナーIII」を、同年8月に発売すると発表した。アモルファス合金製の鉄心を採用した配電用変圧器「SuperアモルファスZeroシリーズ」も刷新し、待機電力を低減したことも明らかにしている。
トップランナー基準とは、対象機器ごとに基準値を設定し、目標年度を定めて出荷製品のエネルギー消費効率を高めるよう普及促進する政策だ。省エネ法とも呼ばれる「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に盛り込まれており、2026年度にその第三次判断基準が適用される。
第三次判断基準に適合するには、エネルギー消費効率を平均14.2%改善することが求められる。新型のSuperトップランナーIIIは、同基準に適合した油入変圧器とモールド変圧器の2タイプを提供。機器の更新時にユーザーの省エネ対策に寄与する。
また、SuperアモルファスZeroシリーズは、プロテリアルが開発した磁区制御型アモルファス合金「MaDC-A」を採用。待機電力に相当する鉄損を平均15%削減することで、エネルギー消費効率が約7%向上した。加えて、磁区構造を制御することで鉄損を低減し、環境負荷を抑えて高効率化した。
国内で稼働中の変圧器のうち、約56%が設置から20年以上も経過している。最新機種と比べてエネルギー損失が大きく、更新が急務の状況だ。トップランナー基準では、高圧受配電用変圧器も特定機器として指定されており、現在は2014年を目標年度とする第二次判断基準が適用されているが、2026年には第三次判断基準が適用される。
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