EtherCATとアナログ/パルス入力に対応、日立産機が新たなサーボシステム:FAニュース
日立産機システムは、小容量サーボアンプ「AD7」(50W〜1.5kW)および中〜大容量サーボアンプ「AD7-MEGA」(2k〜45kW)を発売する。
日立産機システムは2025年5月30日、小容量サーボアンプ「AD7」(50W〜1.5kW)および中〜大容量サーボアンプ「AD7-MEGA」(2k〜45kW)を発売すると発表した。
位置や速度などの指示に応じて自動で動作を制御するサーボシステムは、FA分野でロボットや精密機械の駆動に利用されている。近年、さまざまな産業における自動化の普及や高効率化に伴って、サーボシステムにもより高い精度と応答性が求められるようになっている。AD7/AD7-MEGAは従来機より速度応答周波数、通信周期が大幅に向上し、より微細な機器制御を可能にする。
普及が進むEtherCATをはじめとする産業用ネットワークに加え、従来のアナログ/パルス制御にも対応している。従来は各制御方式に合わせてアンプを使い分ける必要があり、機器管理が煩雑化していたが、AD7/AD7-MEGAでは1種類のアンプで複数方式に対応でき、在庫管理や装置設計の効率化に貢献する。
AD7シリーズは、50W〜1.5kWに対応した小形サーボアンプで、ロータリー、リニア、ダイレクトドライブ(DD)など多様なモーターに1機種で対応可能。AD7-MEGAシリーズは、AC200V級/2k〜45kW対応の大容量サーボアンプで、AD7と合わせた2機種のラインアップによってシステムの容量も50Wから45kWまで広いレンジに対応し、小型で精密な機器から大電力で駆動する機器まで多様な工程を備えたラインに対応する。
サーボモーターのラインアップも刷新し、容量やバッテリー接続の要否などに合わせて最適なマッチングが可能となっている。エンコーダー分解能も従来の20bitから23bitへと向上し、さらに高い精度で位置を検出可能。最高回転速度は、従来の毎分5000回転から同7000回転へ、瞬間最大トルクは300%から350%へとそれぞれ向上した一方、長さ寸法は約16%、質量は17%減少している。さらに、防水防塵(じん)性の高いコネクターを使用し、保護等級IP67を実現した。
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