パナソニック FLF、メーカー思考から脱却した共創プロジェクトの成果を披露:デザインの力(3/3 ページ)
デザインR&Dに特化して活動するパナソニックのデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY」は、東京・表参道の拠点「FUTURE LIFE FACTORY OMOTESANDO」で「OUR PRODUCTS展」を開催した。
ワークショップで広がる共創の輪
OUR PRODUCTS展の初日、2日目、3日目にそれぞれ、違うテーマでワークショップが行われた。その模様を「みんなとの共創」のコーナーで紹介していた。
初日には、COCRE HUBを講師に迎え、「つくろう、わたし仕様。3Dプリントで家電をもっと使いやすく」というプログラムが行われた。ここでは、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)で培われた視覚的ブレインストーミング手法「アイデアスケッチ」を活用し、参加者は自身が必要とする家電アタッチメントのアイデアを生み出した。
2日目は、VUILDによる「デジタルデータで手触りをデザインしよう−木製ノブ×トースター プロトタイピングWS」が開催された。手描きのイラストや写真、生成AIで作った画像などを基に、VUILDのツールで3Dデータに変換し、木材加工機「ShopBot」でトースター用の木製ノブを製作するという実践的な内容である。
そして、3日目には、ふしぎデザインとtoshiro mori designが講師を務め、「架空の家電を段ボールで作るワークショップ『家電転生』」と題したプログラムが実施された。用意された「世界」「ユーザー」「家電」のカードを引いて、それらを掛け合わせた架空の家電アイデアを考え、それを段ボールで形作るというものだ。
OUR PRODUCTS展の手応えについて、中田氏は次のように語る。
「建築や福祉など、さまざまなジャンルの来場者があり、FLFの活動やOUR PRODUCTSの取り組みに共感してもらえた。実施する前は『モノづくりに関心があり、自ら参加したいと考えるユーザーがどれほどいるのか?』と懐疑的であったが、それは杞憂(きゆう)に終わり、確かな手応えを感じることができた。まずは、アタッチメントチップの公開に向けて準備を着々と進め、これに続く第2弾、第3弾の成果につなげていきたい」(中田氏)


















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