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ペンギンの翼をモデルに開発 自動車空調システム用ラジアルファンを発表:デザインの力
MAHLEは、ペンギンの翼をモデルに開発した自動車空調システム用ラジアルファンを発表した。搭載スペースが限定された車両向けに設計しており、空力特性を最適化したことで低騒音化と高効率化を可能にした。
MAHLE(マーレ)は2025年4月21日(現地時間)、ペンギンの翼をモデルに開発した自動車空調システム用ラジアルファンを発表した。搭載スペースが限定された車両向けに設計しており、空力特性を最適化したことで低騒音化と高効率化を可能にした。
ラジアルファンのブレード形状は、高効率な水中遊泳を可能にするペンギンの翼に着想を得た。設計にはAI(人工知能)を活用し、ブレードの最適な形状と取り付け位置を決定している。
自然界からヒントを得た「バイオニックラジアルファン」は、騒音レベルを類似品比60%減相当の4dBに低減。ブレード形状の最適化はモーターの省エネ化にもつながり、効率性が15%向上した。
また、エバポレーター正面に取り付ける構造となっており、空調システム全体がスリム化している。乗用車や中小型、大型商用車といったさまざまな車両クラスに対応し、電気自動車(EV)など搭載スペースが狭い場合でも利用できる。
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