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フマキラーが3Dプリンタ導入で開発リードタイム短縮と材料コスト削減に成功:3Dプリンタニュース
Bfullが日本の製造業向けに提供するZRapid製の産業用3Dプリンタ「ZRapid iSLA byBfull」をフマキラーが導入した。導入により、開発時間の短縮と材料コストの削減に成功している。
Bfullは2025年5月14日、同社が日本の製造業向けに提供するZRapid製の産業用3Dプリンタ「ZRapid iSLA byBfull」を、フマキラーが導入したと発表した。導入により、開発時間の短縮と材料コストの削減に成功している。
フマキラーは、殺虫剤や家庭用品などの製造販売を手掛ける企業だ。これまでインクジェット方式の3Dプリンタを使用して成形品を開発していたが、材料が高額で造形後のサポート材除去に時間がかかるなどの課題があった。
こうした課題を解決するため、2023年から後継機の検討を開始。エアゾールキャップやボトルなどの板厚1〜2mm程度の形状を高精度に造形する必要があることから、他の検討機種に比べて造形物の反りや歪みがほぼないZRapid iSLA byBfullの採用を決定した。
また、造形スピードが速く、従来に比べて造形時間を短縮できる。溶剤に漬け置きするだけで後処理が可能で、全体の工数も大幅に削減した。同程度の仕様の機種の中では初期費用が手ごろで、現状より材料費のランニングコストも抑制できる。

インクジェット方式ではアンダーカットとなる全ての面にサポート材が付着するが、「ZRapid iSLA byBfull」は複数の微細な点でパーツを支えるため、サポート材の使用量と除去の工数が激減した[クリックで拡大] 出所:Bfull
中空のボトルの造形では、インクジェット方式に比べて材料コストが95%ほど低減した。造形時間は以前の半分に短縮し、材料コストは推計で年間90%近く削減できる見込みだという。
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