16nmのFinFET技術を活用した第3世代イメージングレーダープロセッサ:組み込み開発ニュース
NXP Semiconductorsは、16nmのFinFET技術を活用した第3世代イメージングレーダープロセッサ「S32R47」を発表した。レベル2+〜4の自動運転技術要件に対応する。
NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)は2025年5月8日、16nmのFinFET技術を活用した、第3世代イメージングレーダープロセッサ「S32R47」を発表した。レベル2+〜4の自動運転技術要件に対応する。主要な顧客に対して、既にサンプル出荷を開始している。
S32R47は、前世代品と比べて最大2倍の処理能力を持ちながら、ICのフットプリントを38%削減する。部品構成を最適化したほか、アンテナチャンネルや処理能力の拡張性も改善。最大89%少ないアンテナチャンネル数で、同等またはそれ以上の性能を発揮する。
同社のミリ波レーダートランシーバーや電源管理、車載ネットワーキングの各ソリューションと組み合わせることで、機能安全規格のASIL ISO 26262 ASIL B(D)に準拠する。到来方向(DoA)処理の高度化や物体識別などの機能を担うAI(人工知能)、ML(機械学習)もサポートした。
高性能マルチコアレーダープロセッシングシステムを統合しており、次世代ADASシステムに寄与する高密度な点群出力と、強化されたアルゴリズムを提供する。これにより、物体の識別精度と検出信頼性が高まり、交通弱者や落下物を高精度に分類できる。
また、イメージングレーダーで取得した高精度な点群データにより、周囲環境を詳細に再現する。複雑な都市環境などの厳しい状況下でも、AIを搭載した認識システムが自動運転を高度に支援する。
コーナーレーダーから高解像度4Dイメージングレーダーまで、多様化する車載用途やアーキテクチャに対応。オートパイロットナビゲーションなどの先進アプリケーション開発のほか、次世代のソフトウェアデファインドビークル(SDV)に必要な要件への大規模対応も可能になる。
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