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レーザー改質/エッチングやCO2レーザー加工対応の大型TGVガラスコア基板を開発材料技術

日本電気硝子は、次世代半導体パッケージ向け基板材料として、レーザー改質/エッチング加工に対応した大型TGV(Through Glass Vias)ガラスコア基板と、CO2▽▽レーザー加工に応じた大型TGVガラスコア基板を開発したと発表した。

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 日本電気硝子は2025年5月22日、次世代半導体パッケージ向け基板材料として、レーザー改質/エッチング加工に対応した大型TGV(Through Glass Vias)ガラスコア基板と、CO2レーザー加工に応じた大型TGVガラスコア基板を開発したと発表した。

 このうち、レーザー改質/エッチング加工対応品についてはサンプル提供を開始し、自社設備でTGV加工を施した515×510mmサイズの基板と、未加工(TGV加工なし)の原板の2種類を用意する。

 レーザー改質/エッチングとは、レーザー照射によりガラスに微細貫通穴(ビア)状の「改質部」を形成した後で薬液処理を行う加工方法だ。この改質部が薬液に対して選択的に反応するため、微細なビア加工が可能になる。

 TGVはガラス基板に形成される微細な貫通穴だ。コア基板では主に電気的接続を目的として使用される。


レーザー改質/エッチングによるガラス基板写真(上)とその断面写真(下),レーザー改質/エッチングによるガラス基板写真(上)とその断面写真(下)(基板厚みが0.4mm、穴径が直径50μm)[クリックで拡大] 出所:日本電気硝子
CO<sub>2</sub>レーザーによるガラス基板写真(上)とその断面写真(下)(基板厚みが0.5mm、穴径が直径90μm)
CO2レーザーによるガラス基板写真(上)とその断面写真(下)(基板厚みが0.5mm、穴径が直径90μm)[クリックで拡大] 出所:日本電気硝子

新製品開発の背景

 近年、AI技術の進化やデータセンターの拡大により、半導体の高性能/高密度化が求められている。従来の単一チップ構成に代わり、複数の小型チップ(チップレット)を1つのパッケージ内に集積して高性能化/柔軟性を実現する「チップレット技術」の普及とパッケージ基板の大型化により、平たん性や高絶縁性、高剛性を兼ね備えた無機コア基板のニーズも高まっている。

 こういった状況を踏まえて、日本電気硝子は無機コア基板分野に注力し先端材料の開発を進めてきた。これまでに、CO2レーザーでビア加工を施したガラスセラミックスコア基板「GCコア」やガラスコア基板を独自に開発し、多くの引き合いを得てきた。

 一方、レーザー改質/エッチングによるTGV加工のニーズも増加しており、同社では2020年に、ガラス材料の開発とサンプル提供も開始した。

 今回の取り組みでは、レーザー改質/エッチングに最適な新材質を開発するとともに、TGV付きガラスコア基板の大型サイズをサンプル提供できる体制を整えた。

今後の展望

 同社は、2024年に発表したCO2レーザー対応の無機コア基板の開発を推進しており、2028年の量産開始を目指している。また今回のレーザー改質/エッチング対応基板の提供開始を機に、さらなる顧客評価を得て、無機コア基板市場でのプレゼンス強化を図っていく。

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