515×510mm角のガラスセラミックコア基板を開発 共創で量産プロセスの構築を推進:材料技術
日本電気硝子は、「ネプコンジャパン2025」で、開発品として大型パネルサイズ(515×510mm角)のガラスセラミックコア基板「GCコア」を披露した。
日本電気硝子は、「ネプコンジャパン2025」(2025年1月22〜24日、東京ビッグサイト)内の「第26回 プリント配線板 EXPO」に出展し、開発品として大型パネルサイズ(515×510mm角)のガラスセラミックコア基板「GCコア」を披露した。
2026年の量産化を目指す
近年、データセンターの需要増加や生成AI(人工知能)の普及に伴い、これらに使用される半導体にはさらなる高性能化が求められている。こういったニーズに対応する手段の1つとして、チップレット技術を使用し、複数のチップを1つのパッケージに搭載する方法がある。複数のチップを1つのパッケージに備えるために基板の大型化が必要とされている。
さらに、半導体の性能を高めるために基板に搭載するチップの大型化も進んでおり、これらの大型チップを効率的に配置するためにも大型の基板が求められている。
こういった状況を踏まえて、日本電気硝子は2024年6月にガラス粉末とセラミックス粉末の複合材を用いたGCコア(300mm角)基板を開発し、半導体メーカーに提案してきた。GCコアは、一般に広く普及しているCO2レーザー加工機を用いて高速かつクラックレスの穴あけ加工が可能で、量産コストの低減が期待できる。
同社はガラスセラミックコア基板の開発で培った技術などを活用して、多くの半導体製造プロセスで採用されている515×510mm角のGCコア基板を開発した。このサイズの基板は、半導体メーカーが現在利用している製造設備でも使えるため、設備投資を抑えられる。
日本電気硝子の担当者は、「当社では2026年の量産化を目指して、小型や大型のGCコアの量産プロセス構築を進めている。現在は、小型や大型のGCコアへのめっき加工や再配線層の構築に関する問い合わせを多くもらっている。そこで、これらに対応する企業と小型や大型のGCコアへのめっき加工や再配線層の構築に向けた取り組みを進めている」と話す。なお、サンプル提供に関しては小型GCのみに対応している。
GCコアの特徴
GCコアは、ガラスに加えてセラミックスの特性を有しており、一般的な樹脂製のプリント基板やコア基板の加工に用いられているCO2レーザー加工機を用いて、高速でクラックレスの穴開け加工が行える。
利用されているガラスセラミックス材には、同社が独自に開発した低温同時焼成セラミックス(LTCC材料)を使用することで、誘電率/誘電正接が低く、信号の遅延や誘電損失を少なくしている。加えて、ガラス基板と比べて強度が高いため、基板を薄くすることができ、半導体の薄型化に貢献する。
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