富士フイルムBIの構造色インクジェット技術 万博パビリオンの建物外観に採用:デザインの力
富士フイルムビジネスイノベーションは「大阪・関西万博」において、同社の「構造色インクジェット技術」が「シグネチャーパビリオン『いのち動的平衡館』」の建物外観に採用されたことを発表した。
富士フイルムビジネスイノベーションは2025年4月10日、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」において、同社の「構造色インクジェット技術」が「シグネチャーパビリオン『いのち動的平衡館』」の建物外観に採用されたことを発表した。
構造色インクジェット技術の特長
構造色インクジェット技術は、色素を使用せず光の反射によって発色するフルカラーの構造色をインクジェット印刷で表現する独自の加飾技術だ。富士フイルムグループの分子制御技術を応用し、フィルム基材上に吐出したインク内に微細構造を形成することで発色させる。
色味の異なる構造色を発現するインクを複数用意し、その組み合わせや濃度を調整することで、構造色のパターンやグラデーションなどを自在に描画でき、高い意匠性を実現する。モルフォ蝶やタマムシなど構造色を有する生物の色を印刷で再現できる他、任意のデザインデータの構造色化も可能だ。
いのち動的平衡館は、8人のプロデューサーがテーマごとに展開するシグネチャーパビリオンのうちの1つで、「いのちを知る」をテーマに、生物学者の福岡伸一氏がプロデューサーを務める。生物をほうふつとさせる高度な意匠性を評価し、構造色インクジェット技術を建物外観の加飾に採用した。
構造色インクジェット技術は、同じ印刷物でも見る角度によって発色が変化する特長を持ち、黒や白の背景によっても色合いが変わる。黒色の背景に構造色を加飾すると透過光が吸収されて構造色の反射色が見えるが、白色の背景では透過光が吸収されずに、その補色が見える。透明な樹脂やガラスなどにも印刷できる。
時計やアートピース、装飾品、建築物の内外装への展開の他、ソーラーパネルやディスプレイといった機能部材への加飾にも応用が期待されている。富士フイルムビジネスイノベーションは今後も、構造色インクジェット技術の意匠性と機能性を活用し、さまざまな加工技術との組み合わせによって、幅広い分野への展開を図るとしている。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
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