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AIを活用したノイズ低減処理を搭載するマンモグラフィ装置を発売:医療機器ニュース
キヤノンメディカルシステムズは、AIを用いて開発したノイズ低減処理ソフトウェアを搭載するマンモグラフィ装置「Pe・ru・ru DIGITAL」の販売を開始した。従来と比較して最大約50%ノイズを低減する。
キヤノンメディカルシステムズは2025年3月12日、AI(人工知能)を用いて開発したノイズ低減処理ソフトウェア「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」を搭載したマンモグラフィ装置「Pe・ru・ru DIGITAL(Pe・ru・ru)」の販売を開始した。
AiCEは、同社が開発したノイズ低減処理ソフトウェアで、キヤノンがデジタルラジオグラフィ用に開発した「Intelligent NR」技術を応用している。
設計段階でマンモグラフィ臨床画像を用いたML(機械学習)を実行し、さまざまな条件でのノイズの特徴を学習しているため、必要な画像信号を維持しながら不要なノイズだけを効率的に除去できる。その結果、従来のノイズ低減処理と比べて最大約50%のノイズを低減する。また、画像の粒状感を抑えながら細部までくっきりと見えて、高いコントラストが得られるように、AiCEとその他の画像処理を最適化している。
これまで主流だったルールベース方式は、ノイズ低減性能に限界があり、粒状感の改善を優先すると被写体の信号が不明瞭になるという課題があった。低ノイズで高画質な画像を提供する同装置は、画像診断の精度向上に貢献する。
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