ニュース
ナノイーの照射でアルコールや加熱に耐性のあるエンドトキシンを不活化:医療機器ニュース
パナソニックは、エンドトキシンに対するナノイー技術の不活化効果を実証した。ナノイーの照射により、アレルギー様症状の悪化要因の1つとされるエンドトキシンへの不活化効果を確認した。
パナソニックは2025年3月6日、エンドトキシンに対するナノイー(帯電微粒子水)技術の不活化効果を実証したと発表した。ナノイーの照射により、アレルギー様症状の悪化要因の1つとされるエンドトキシンへの不活化効果を確認した。
今回の検証では、試験条件でナノイーをエンドトキシンに48時間照射したところ、99%以上不活化することを確認した。一方、細菌の滅菌条件となる90℃の加熱処理やエタノール80vol%での処理では、不活化効果が見られなかった。
また、大腸菌に対してナノイーを照射し、エンドトキシン活性を測定した。その結果、99%以上が不活化することが示された。
エンドトキシンは、大腸菌などのグラム陰性菌の表面に存在する毒素で、PM2.5やハウスダスト中にも含まれる。ぜんそくや鼻炎などを悪化させる一因とされるが、アルコールや加熱に耐性があるため、一般的な消毒方法による不活化が困難だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
脳への微弱な電気刺激が記憶力を活性化する
新潟医療福祉大学は、脳への微弱な電気刺激が記憶力の活性化に寄与する可能性があることを発見した。認知症リハビリテーションや治療法開発への応用が期待される。胃カメラをしながら膵がんを早期発見できる診断法を開発
大阪大学らは、胃カメラの際に追加検査することで、早期膵がんを高精度に診断できることを発見した。十二指腸乳頭部を洗浄し、その回収液中のKRAS遺伝子変異を検出する。歯周病リスク判定ツールが厚生労働省の事業に選定
パナソニックくらしアプライアンス社が開発中の歯周病リスク判定ツールが、国民皆歯科検診の実現に向けた厚生労働省の「歯周病等スクリーニングツール開発支援事業」に選定された。この事件を無駄にするな! 医療業界が伝える製造業セキュリティへの提言
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。今回は、大きな注目を集めた岡山県精神科医療センターにおけるランサムウェア事案に関する調査報告書の内容を読み解く。シンガポールに学ぶクラウド型SaMD/Non-SaMDのセキュリティ
本連載第101回でシンガポールの医療/介護イノベーション動向を取り上げたが、新技術創出を支えるクラウド基盤のガバナンス向上施策も進んでいる。AIを活用した新世代の心臓モデルを試験運用、患者のバーチャルツインが作成可能に
Dassault Systemesは、AIを活用した新世代の心臓モデル「リビング・ハート・モデル」を評価するベータ試験の実施を発表した。個々や集団の患者に合わせて高度にカスタマイズできる。