ニュース
脳への微弱な電気刺激が記憶力を活性化する:医療技術ニュース
新潟医療福祉大学は、脳への微弱な電気刺激が記憶力の活性化に寄与する可能性があることを発見した。認知症リハビリテーションや治療法開発への応用が期待される。
新潟医療福祉大学は2025年2月25日、脳への微弱な電気刺激が記憶力の活性化に寄与する可能性があることを発表した。認知症リハビリテーションや治療法開発への応用が期待される。
今回の研究は、神経活動を調節する可能性が注目されている経頭蓋交流電気刺激(tACS)が、どのように記憶機能に寄与するかを検討したものだ。
健常成人28人を対象に、tACSを受けた群と受けない対照群の長期記憶パフォーマンスを比較した。電気刺激は、左後頭頂皮質領域に対し、60HzのtACTを1.5mAの微弱な電流で刺激した。1回8分間の電気刺激を単語学習時に3回実施し、長期記憶パフォーマンスの比較には単語再認課題を用いた。
電気刺激7日後、28日後の単語再認課題における正答率は、tACSを受けた群が対照群に比べて有意に保持しており、電気刺激を用いた記憶力の活性化が示唆された。
高齢者や認知症患者では、記憶力が顕著に低下する。特に認知症患者では日常生活の質に大きな影響を及ぼすが、記憶力を改善する有効な手段は確立されていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
この事件を無駄にするな! 医療業界が伝える製造業セキュリティへの提言
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。今回は、大きな注目を集めた岡山県精神科医療センターにおけるランサムウェア事案に関する調査報告書の内容を読み解く。シンガポールに学ぶクラウド型SaMD/Non-SaMDのセキュリティ
本連載第101回でシンガポールの医療/介護イノベーション動向を取り上げたが、新技術創出を支えるクラウド基盤のガバナンス向上施策も進んでいる。AIを活用した新世代の心臓モデルを試験運用、患者のバーチャルツインが作成可能に
Dassault Systemesは、AIを活用した新世代の心臓モデル「リビング・ハート・モデル」を評価するベータ試験の実施を発表した。個々や集団の患者に合わせて高度にカスタマイズできる。オリンパスの倉庫自動化プロジェクトが最終段階に、自動梱包で何を実現したのか
オリンパスの相模原物流センターにおける倉庫自動化プロジェクトが最終段階を迎えた。これまでに導入した3つの自動倉庫システムに加えて自動梱包ラインを構築したのだ。この自動梱包ラインは、コスト削減ではなく、貨物の絶対数と容積の圧縮を目標に掲げている。長期肌実態調査を活用して「肌の曲がり角」が2回あることを発見
花王は、独自の長期肌実態調査を活用して5年間にわたる106人の肌変化を解析し、40歳前後と50代半ばの2回、肌状態が大きく変化する「肌の曲がり角」があることを発見した。肝臓モデルの試供に向けた業務提携を締結
TOPPANホールディングスとフェニックスバイオは、業務提携契約を締結した。同提携により、3D細胞培養技術「invivoid」を用いて体外で作製した「人工3次元肝臓組織」を研究者に試供し、医薬品開発に貢献する。