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細胞医療製品製造プラットフォームを開発、提供する新会社設立へ:医療機器ニュース
アステラス製薬と安川電機は、汎用ヒト型ロボット「まほろ」を活用した、細胞医療製品の製造プラットフォームを開発、提供する新会社設立に関する契約を締結した。
アステラス製薬は2025年3月6日、汎用ヒト型ロボット「まほろ」を活用した細胞医療製品の製造プラットフォームを開発、提供する新会社設立に関する契約を、安川電機と締結したと発表した。2025年9月の設立を予定している。
両社は2024年5月に、製薬技術とロボティクス技術を融合させた細胞医療エコシステムの構築に向けた覚書を締結している。この覚書に基づいて設立される新会社では、アステラス製薬の細胞医療に関する研究開発や製造の知見と、安川電機の子会社ロボティック・バイオロジー・インスティテュートが開発したまほろを活用し、細胞医療製品の製造プラットフォームを開発、提供する。
具体的には、まほろを用いて正確性や再現性の高い細胞製造プロセスを検討し、デジタル化した製造プロセスをAI(人工知能)により最適化する。また、この製造プロセスに関するデジタル情報をまほろへ技術移管し、細胞医療製品を製造するプラットフォームを開発する。
さらに、ビジネスパートナーのアカデミアやスタートアップ企業に対し、プラットフォームを提供。それぞれが保有する細胞医療製品候補の製造プロセスの開発や、各国のGMP基準に適合した治験薬の製造を支援する。
資本金は45億円で、アステラス製薬が60%、安川電機が40%出資する。なお、新会社の設立は、必要な規制当局の承認やその他のクロージング条件の充足を前提とする。
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