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月額50万円で使えるローカル5G、ドコモのキャリア設備を共用しコストダウン製造ITニュース(2/2 ページ)

NTTコミュニケーションズは、NTTドコモのキャリア通信用設備を活用し、冗長性と高い保守性を低コストで実現できる「ローカル5Gサービス TypeD」の提供を開始した。

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3つの課題を解決する「ローカル5Gサービス TypeD」

 これらの課題を解決し、とにかくローカル5Gの利用を増やすために商品化するのが、新たに投入するローカル5Gサービス TypeDだ。

 従来のローカル5Gは設備や保守サービスなどをユーザーが自前でそろえる必要があったが、ローカル5Gサービス TypeDは、通信設備の一部や保守サービスをドコモグループと共用し、コストを大幅に削減できる点が特徴だ。最小構成では月額50万円(税別)から導入可能だとしている。

 具体的には、交換機やCU(データ処理部)、DU(無線信号処理部)、UPF(U-planeデータ処理装置)などの設備は、ドコモのキャリア通信設備と共用されており、キャリアレベルの冗長性を実現する。また、ローカル5G設備の監視保守はドコモの作業者がキャリア通信設備と合わせて行うため、ユーザーが専門の人員を用意する必要もなくなる。無線設備を専門で取り扱ってきたドコモの作業者が24時間365日体制で監視を行い、全国への駆け付け保守を実現する。

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ローカル5Gの商用導入における課題[クリックで拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 機器の一部をドコモネットワークと共用することで、ユーザーの敷地内に設置する設備はRU(無線装置)とアンテナのみになる。そのため、フルセットをそろえる場合に対し、設置スペースを約9割削減できる。また、ラックの設置や配線などの必要もなく、エリア構築をより柔軟に行うことができる。

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約9割の設備設置スペース削減が可能に[クリックで拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 また、ローカル5Gやキャリア5G、その他のネットワークサービスを総合的に扱うNTTコミュニケーションズの総合力を生かし、各種クラウドサービスやインターネットへの接続について、全体の構成検討から構築までをワンストップで支援可能だ。NTTコミュニケーションズの「Arcstar Universal one」「Flexible Inter connect」と組み合わせて提供し、ユーザーのデータセンターへの接続や要望に応じたネットワーク構築が行える。さらに、通常のローカル5Gの利用には無線免許の取得や総務省への届け出が必要になるが、ローカル5Gサービス TypeDでは、無線の免許人はNTTコミュニケーションズとなるため、ユーザーの無線免許の取得や届け出の必要はなくなる。

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ネットワーク全体をワンストップで提供[クリックで拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

工場DXのネットワーク網を5Gでワンストップに

 製造業向けの用途としては、工場全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指す中で、ネットワークをワンストップで実現する要望などに応えていく。「例えば、製造ラインはローカル5Gサービス TypeDで接続し、工場の敷地全体の保守用にはキャリア5Gを使うような、複合的にカバーする仕組みなどが想定される」と岩本氏は述べている。

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製造業向けの想定用途イメージ[クリックで拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 今後に向けて岩本氏は「従来型の5Gも同時に提供していくが、まずはローカル5G市場を作り出していくという意味で、ローカル5Gサービス TypeDは大きな役割を担うと考えている。ローカル5Gのネットワークインフラ領域でシェア30〜40%は獲得したい。売り上げは数十億円規模を目指す」と抱負を述べている。

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