国内最大級のリサイクル施設が本格稼働 1日200トンの使用済みプラ処理可能:リサイクルニュース
Jサーキュラーシステムは国内最大級の使用済みプラスチックリサイクル施設の本格稼働を2025年4月1日に開始する。
Jサーキュラーシステムは2025年3月13日、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区(神奈川県川崎市)において国内最大級の使用済みプラスチックリサイクル施設「川崎スーパーソーティングセンター」の高度選別ラインを含む全ラインが完成し、同日に稼働式を行ったと発表した。川崎スーパーソーティングセンターでは2024年10月にケミカルリサイクル原料製造が先行稼働している。2025年4月1日に本格稼働する。

「川崎スーパーソーティングセンター」の稼働式。左から、東日本旅客鉄道 常務取締役マーケティング本部長の中川晴美氏、川崎市 副市長の三田村有也氏、Jサーキュラーシステム 代表取締役社長の中村佐三氏、J&T 環境 代表取締役社長の長谷場洋之氏、JR東日本環境アクセス 代表取締役社長の鈴木均氏[クリックで拡大] 出所:Jサーキュラーシステム
高度選別ラインとは、近赤外線アナライザーや光学式選別などの技術を用いて、素材の組成や熱量、水分率などを測定し、その結果に基づいて、異なる種類のプラスチックを高精度で分別するラインを指す。
選別されていない使用済みプラをそのまま受け入れ可能
川崎スーパーソーティングセンターは、国内で最大級となる1日当たり200トンの使用済みプラスチック(一般廃棄物と産業廃棄物)を処理する能力を備えており、選別から再商品化まで一貫した処理を行える。
同施設では、自治体や事業者が回収した、選別されていない使用済みプラスチックをそのまま受け入れることが可能で、今まで選別が困難なことから焼却処理となっていた使用済みプラスチックの再資源化を推進する。具体的には、回収されたプラスチックに特性に応じてマテリアルリサイクルあるいはケミカルリサイクルを行う。近隣のリサイクル事業者と連携し、資源循環の高度化も図る。
この施設では、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律第33条(以下、プラ新法)」に基づき、川崎市がJサーキュラーシステムを代表企業とするグループと連携して策定した再商品化計画により、2024年12月に環境大臣/経済産業大臣の認定を取得。2025年1月には藤沢市が同認定を取得し、現在大田区とも同認定取得に向け協議を進めている。複数の自治体とリサイクル事業者との連携による認定取得は全国初になるという。
この認定により、3自治体の市区民から家庭ごみとして分別回収される使用済みプラスチックの多くを今回の施設で再資源化することが可能となる。
Jサーキュラーシステムは、民間事業者から排出される産業系使用済みプラスチックとプラ新法に基づき自治体が回収する家庭系使用済みプラスチックの双方を受入れ、さまざまなニーズに応じたリサイクルプラスチック原料(RPM)を製造する。
なお、Jサーキュラーシステムを代表企業とするグループは、マテリアルリサイクルを担うJFEプラリソースやケミカルリサイクルを担当するレゾナックで構成される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
JFEエンジニアリングらが廃棄物ケミカルリサイクル技術の小型実証設備を建設
JFEエンジニアリングとJ&T環境は、JFEスチール東日本製鉄所(千葉市中央区)の敷地内で廃棄物ケミカルリサイクル技術の小型実証設備を建設する。CO2分離回収パッケージの実証実験成功、濃度99.5%のCO2を回収
JFEエンジニアリングは、同社が開発したCO2分離回収パッケージ「GX-Marble」の実証試験で、バイオガス発電設備の燃焼排ガスから濃度99.5%のCO2を回収することに成功した。ごみ焼却で発電してごみ収集EVが走る、バッテリーは交換式
JFEエンジニアリングと日立造船、日鉄エンジニアリング、明電舎は2021年12月15日、ごみ収集車のEV化と電池交換ステーションの普及を目指す「EVパッカー及び電池交換ステーション普及協議会」を設立したと発表した。超急速充電器が登場、わずか3分で50%充電可能
EVの充電時間を短くする取り組みが進んでいる。JFEエンジニアリングは、超急速充電器を開発、8分間で80%の充電に成功した。充電器内に二次電池を内蔵することで実現した。JFEエンジニアリング、北海道苫小牧市に「スマートアグリプラント」を完成
天然ガスをエネルギー源とするガスエンジン・トリジェネレーションシステムに、提携先のオランダPrivaの高度栽培制御システムを組み合わせて、栽培に最適な環境をつくる。