JFEエンジニアリング、北海道苫小牧市に「スマートアグリプラント」を完成:製造マネジメントニュース
天然ガスをエネルギー源とするガスエンジン・トリジェネレーションシステムに、提携先のオランダPrivaの高度栽培制御システムを組み合わせて、栽培に最適な環境をつくる。
JFEエンジニアリングは2014年8月11日、グループ会社のJファーム苫小牧と共同で、北海道苫小牧市に「スマートアグリプラント」を完成させ、農産物の生産事業を開始したと発表した。
同プラントは、天然ガスをエネルギー源とするガスエンジン・トリジェネレーションシステム(電気・熱・CO2の併給)に、提携先のオランダPrivaの高度栽培制御システムを組み合わせて、栽培に最適な環境を作るもの。スマートアグリ事業の第1号となるプラントで、農林水産省の「平成25年度 強い農業づくり交付金」の一部補助を受けている。
プラントの完成は2014年8月8日で、同年8月第4週には栽培したベビーリーフの出荷を開始し、同年10月にはトマトを出荷するという。さらに同年12月には、同プラントの敷地内にバイオマスボイラー設備を設置。木質チップを燃料として熱・CO2を供給することで、天然ガスが供給されていない地域でも稼働できる、スマートアグリプラントのモデル実証を開始する予定だ。
また、同社は今後、横浜本社内の試験温室で研究中の高糖度トマトや、ベビーリーフの収穫量向上に関する栽培技術について、早期に同プラントへの適用を目指すとしている。
エレクトロニクスとITは農業をどう変えるのか――「植物工場/スマートアグリ」コーナーへ
新たな農業の形とは?
植物工場、ハイテク施設園芸……。製造業のノウハウを活用し、農業が新しく生まれ変わろうとしている。新たな農業のカタチはどう変化していくのでしょうか。
「植物工場/スマートアグリ」特集では、エレクトロニクスやITを活用した新たな農業の最新情報をお伝えしています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- レタスを作る半導体工場!? 植物工場は製造業を救う切り札になるのか
「半導体生産からレタス生産へ」驚きの業態変化を遂げた工場がある。富士通セミコンダクターの会津若松工場だ。富士通では植物工場へのICT提供などを行ってきたが、ついに自ら野菜生産に乗り出し、2014年2月から低カリウムレタスの出荷を開始する。製造業およびICT企業としてのノウハウを野菜生産に注入する植物工場は、製造業が託すべき未来になるのか。現地取材を通してレポートする。 - 躍進する植物工場、2025年には1500億円市場に――製造業のノウハウ転用に期待
矢野経済研究所は植物工場運営市場における調査を行い、その調査結果を発表した。それによると植物工場市場は順調に成長し2025年には1500億円市場となるという。 - パナソニックがシンガポール初の屋内型植物工場稼働――食料自給率向上に貢献
パナソニックファクトリーソリューションズ アジアパシフィックはシンガポールで初めての野菜工場を稼働したことを発表した。生産した野菜は、シンガポール国内で飲食店チェーン展開する大戸屋に提供するという。 - テーマサイト「植物工場/スマートアグリ」