牧野フライスがニデックに質問状、価格算定時の想定シナジーや競合の取引継続など:製造マネジメントニュース
牧野フライス製作所は、ニデックに対して3回目の質問状を送付した。
牧野フライス製作所は2025年3月11日、同社へのTOB(株式公開買い付け)を表明しているニデックに対して、シナジーやディスシナジーなどに関する3回目の質問状を送付したことを発表した。同月17日までの回答を求めている。
TOBにおけるシナジーについては、ニデックが買い付け価格を1万1000円と決定する際に想定したニデックおよび牧野フライスに生じるシナジーや売上高、売上高成長率などを質問した。また、牧野フライスが2025年2月12日に発表した新事業計画を、ニデックが同年2月25日に発表した見解において「達成は不確実」などと評した具体的な理由を求めた。
ディスシナジーについては、過去の三菱重工工作機械(現ニデックマシンツール)やOKK(現ニデックオーケーケー)などの買収後に、ニデックの競合となる顧客がどれくらい取引を継続しているのか、その割合や取引金額について改めて聞いた。また、ニデックが2025年2月8日に会談した中国の浙江省金型協会を「中国国内の金型業界で非常に重要な位置付け」と表現した根拠や会談設定の経緯についても尋ねた。
人的資本については、ニデックの過去5年間の年間平均離職率、ニデックマシンツールやニデックオーケーケーなどの買収前と買収後5年間の年間平均離職率も改めて質問した。
牧野フライスとニデックはこれまでに質問状のやりとりを2回行い、2025年3月4日には対面の面談も行われた。牧野フライスは「面談での回答を希望していた事項の多くについて回答をいただけたものの、一部回答が未了または不十分なもの」があった他、TOBに関する判断に必要と思われる事項が出てきたことから、3回目の質問状の送付に至ったとしている。
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