デンソーがEV充電器をIoT化する充電制御システムを発売:電動化
デンソーは、EVやPHEVなどの電動車の充電制御システム「EVECOM」の販売を開始した。社用車などを保有する企業や団体、集合住宅、商業施設などに向けて展開する。
デンソーは2025年3月6日、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)などの電動車の充電制御システム「EVECOM(イブコム)」の販売を開始したと発表した。子会社のデンソーソリューションを通じて、社用車などを保有する企業や団体、集合住宅、商業施設などに向けて展開する。
EVECOMは、EV充電器に接続するコントローラーやクラウドサーバから構成されている次世代のEV充電制御システムである。EV充電器をIoT(モノのインターネット)化してクラウドサーバやスマートフォンと通信することで、ユーザー認証、電力計量などの多彩な機能を発揮する。また、電動車の充電環境整備に伴って増大する電力量やインフラコストの課題解決にも貢献する。
EVECOMの主な機能は2つある。1つは充電エネマネで、デンソーの得意とするエネルギーマネジメントを活用し、建屋全体の電力を監視し充電時間を分散させることで、電力基本料金の上昇の抑制につなげられる。もう1つは充電サービスで、スマートフォンによるユーザー認証機能を用いて、ユーザーの使用電力量を計測して適正な料金計算をサポートする。これらの他、API連携によって、車両運行/車両予約システムなどとの連携や、一般的なコンセントに加え、普通充電器、V2H(Vehicle to Home)充放電器など多様な充電器への対応が可能だ。
なお、EVECOMは、「EV」「Energy(エネルギー)」「Community(コミュニティー)」を組み合わせた造語で、カーライフにおいて新たな価値を創出していくことを目指して名付けられたという。
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