トヨタの第3世代燃料電池システムは同体格で出力2倍に、大型商用車向けも用意:第25回 SMART ENERGY WEEK【春】
トヨタ自動車は、「第25回 SMART ENERGY WEEK【春】」内の「H2 & FC EXPO【春】〜第23回 水素・燃料電池展〜」において、2026年内に市場投入を予定している第3世代の燃料電池システムを披露した。
トヨタ自動車は、「第25回 SMART ENERGY WEEK【春】」(2025年2月19〜21日、東京ビッグサイト)内の「H2 & FC EXPO【春】〜第23回 水素・燃料電池展〜」において、2026年内に市場投入を予定している第3世代の燃料電池(FC)システムを披露した。
第3世代FCシステムは、これまで燃料電池車(FCV)の「MIRAI」などで展開してきた乗用車向けと、2019年からバスや鉄道、定置式発電機などに向けて外販してきた汎用向けに加えて、大型商用車向けという3つのカテゴリーで展開する。
第3世代FCシステムは、材料などを含めて燃料電池セルの大幅な改良を施している。2020年12月発表の2代目MIRAIで採用した第2世代の燃料電池システムと比べて耐久性能が2倍となり、ディーゼルエンジンと同等、メンテナンスフリーを実現したとする。燃費性能も従来比で20%向上しているという。この他、セル設計、製造プロセスの革新によりコストも大幅に削減した。
第2世代FCシステムとの分かりやすい比較になっていたのが汎用向けのFCモジュールだ。現在外販している第2世代FCシステムをベースとするFCモジュールは、2021年から展開しており、外形寸法は縦型が890×630×697mm、横型が1270×630×410mmで、定格出力は65kWもしくは85kW、定格電圧は650V。第3世代FCシステムのFCモジュールでは、同じ外形寸法で2倍の出力を達成できる見込みだ。
また、これまで大型商用車向けのFCシステムは、FCバス「SORA」のようにMIRAIのFCシステム2台で構成していたが、第3世代FCシステムでは1台にまとめて提供していく方針である。
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