いすゞ自動車は2025年2月12日、米国サウスカロライナ州に生産拠点を新設すると発表した。
新工場への総投資額は2.8億ドル(約430億円)で、2027年中に稼働する。従業員数は2028年に700人以上を計画。2030年時点の年間生産能力は5万台を予定している。敷地面積は75万m2、工場建屋面積は9万3000m2となる。
商用車の中長期的な電動化と、エンジン車の需要の両方に対応可能な変種変量生産方式の工場とする。「Nシリーズ(日本ではエルフ)」のEV(電気自動車)モデルとガソリンエンジンモデル、「Fシリーズ(日本ではフォワード)」のディーゼルエンジンモデルを生産する。
いすゞグループとしては初めてコンベヤーレス/ピットレスを採用し、柔軟性と拡張性を持たせる。また、全行程で品質保証体制を構築するため、作業ミス防止を目的とした検査自動化、部品のトレーサビリティーや不良品流出防止のための画像検査を導入する。
いすゞ自動車は1984年に北米市場に参入し、2023年度は過去最高となる4.4万台を販売した。新工場設立に当たってはEVに必要な部材の現地調達化を進めて北米事業のさらなる拡大につなげる。いすゞグループの中期経営計画では北米をEVビジネスの先駆けとなる地域と位置付けており、2024年8月にはEV小型トラックを市場投入した。
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