“かんばん”を取り蓋をめくるソフトロボットハンド、マスターレスピッキングも:第9回 ロボデックス
ソフトロボティクスベンチャーズは「第9回 ロボデックス」において、同社のロボットハンド「TETOTE」および新型ロボットハンド「TETOTE and」を使ったデモを披露した。
ソフトロボティクスベンチャーズは「Factory Innovation Week 2025」(2025年1月22〜24日、東京ビッグサイト)の構成展の1つである「第9回 ロボデックス」において、同社のロボットハンド「TETOTE」および新型ロボットハンド「TETOTE and」を使ったデモを披露した。
ソフトロボティクスベンチャーズはブリヂストンの社内ベンチャーとして生まれた組織だ。TETOTEは、ブリヂストンが作った4本のゴム人工筋肉をハンドのフィンガー部分に用いており、ゴムの柔軟性を生かしてさまざまな形状や素材の対象物を把持することができる。その特徴を生かして、会場では製造現場におけるピック&プレースのデモを披露した。
協働ロボットの先端に搭載されたTETOTEは、部品の入った部品箱の柔らかい蓋をめくり、かんばんを抜き出してから、コンベヤー上の空き箱に1つ1つ部品をピック&プレースしていく。決められた部品を入れ終わると、新しい空き箱をコンベヤーに置き、キッティングを再開する。
現状、TETOTEの可搬重量は約2kgで、把持可能なサイズは1辺が約160mmまでの対象物となっている。今回のデモで使ったモデルでは、耐油性などを持つニトリルゴムをフィンガーに使っている。
TETOTE andでは、中央部に吸着機構を取り付けてあり、把持と吸着の両方で作業を行うことができる。
会場では、物流倉庫などを想定して、Eureka Roboticsのビジョンシステムを活用したマスターレスのピッキングを披露した。Eureka Roboticsのビジョンシステムはステレオカメラを使っており、光沢があったり、半透明だったりする対象物も認識して把持することができる。
コンテナの端に置かれていて、TETOTE andの指が入らなくて把持できない対象物に対しては、状況を自動で認識して吸着によってピッキングする。
「コンテナの中に対象物がどのように置かれているのか、対象物同士の位置関係や高さがどうなっているのかなどを認識して、指が入るようなら把持、入らないようなら吸着で取りに行くというのを計算して判断している」(Eureka Roboticsの説明員)
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