レンズや透明な外装にも対応、日本でロボットビジョンシステム提案:産業用ロボット(1/2 ページ)
Eureka Roboticsは「Factory Innovation Week」に出展予定の技術について記者説明会を開いた。
Eureka Roboticsは2025年1月20日、「Factory Innovation Week」(2025年1月22〜24日、東京ビッグサイト)に出展予定の技術について記者説明会を開いた。
Eureka Roboticsはシンガポールに本社を置くロボットビジョンシステムの開発会社で、ロボティクスを研究した創業者ファム・クアン・クオン氏が2018年に設立した。主な研究開発はベトナムで行っている。
直近のシリーズAラウンドで1050万ドルを調達。カメラとコントローラーの開発や市場展開に注力している。日本では営業や技術サポートなどチームを拡大し、米国では新しいオフィスを設置するという。2025年は、売上高を前年比4倍に増やす計画だ。
Factory Innovation Weekの会場では、多形状ワークのマスターレスピッキングの他、自動車のサイドミラーのばら積みピックや左右判定、外観検査までを一貫して行う様子をデモンストレーションで紹介する。
多形状ワークのマスターレスピッキングでは、ブリヂストン子会社のブリヂストンソフトロボティクスベンチャーズのロボットハンド「TETOTE and」を使う。吸着パッドと4つの爪でさまざまな形状や重量の物体を把持、搬送する。マスターレスピッキングは物流企業で導入に向けて物体の検知性能を検証している。
ブリヂストンソフトロボティクスベンチャーズのようなロボットハンドのパートナーと協力することで、Eureka Roboticsのカメラやコントローラーをパッケージとして提案していく考えだ。
Eureka RoboticsのCEOであるクオン氏は、これまでのロボティクスで柔軟性と精度がトレードオフだったことを振り返った。1980年代に始まった自動化は高い精度が求められるが柔軟性はさほど要求されなかった。代表例は自動車の生産ラインなどだ。2010年代の自動化では精度は求められないが柔軟性が必要で、物流倉庫のピッキングなどでの自動化に貢献した。
ただ、「高精度と高い柔軟性の両立は実現するのが難しく、人手に頼っている」とクオン氏は指摘した。Eureka Roboticsは3Dビジョン機能を持ったロボットビジョンシステムによってロボティクスの精度と柔軟性の両立に取り組んでいる。
特に、電子部品など小さいサイズの対象物に焦点を当てている。ランダムに置かれた小さな部品を対象に、位置を把握して向きをそろえながら並べるなどきめ細かい作業が実現できることが強みだとしている。
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