アウディが次世代マイルドハイブリッド、環境性能と走行性能を両立:電動化(2/2 ページ)
アウディは次世代マイルドハイブリッドシステム「MHEV plus」の詳細を発表した。
ドライブモードごとの味付け
MHEV plusは、モーターのみで走行できる距離の長さではなく、多くのエネルギーを回収し、迅速かつ効率的に駆動力に再利用するバッテリーの充放電のサイクルに着目しているという。
ドライブモード「D」では、バッテリーのSOCが50〜55%の際に駆動力アシストとモーターのみの走行に必要なエネルギーのバランスが取れるとしている。信号や市街地に入るときに穏やかで長めのブレーキ操作によってエネルギーを多く回収し、蓄えることもできる。ドライブモード「S」は、ターゲットのSOCを70%に設定し、スポーティーな走行に必要なエネルギーを確保する。スポーティーな走行の場合、短く強いブレーキングが多くなるため、エネルギー回収は少なくなる。
ターゲットとするSOCを下回った場合、エンジンが始動してSOCの低下を防ぐ。渋滞時の低速走行や駐車の場合はターゲットとするSOCより低い場合でもモーターのみの走行を維持できる。SOCがターゲット値を上回っている場合はエンジンを遅く始動させ、バッテリーを意図的に放電させることでエネルギーを十分に回収できる状態にする。
パワートレインジェネレーターによる駆動力のアシストは、Sモードではアクセルペダルの踏み込み量が少ない段階から利用できる。Dモードの場合はアクセルペダルの80%以上を踏み込んだときに駆動力をアシストする。
また、Dモードでは高速道路や郊外を一定速度で走行する場合に時速85km以上でパワートレインジェネレーターを切り離すことができる。Sモードでは最大許容回転数が5550rpmに達するまでパワートレインジェネレーターは常に接続された状態を維持する。
パワートレインジェネレーターが生み出すトルクは車両の負荷の変化に対応するため、コーナーからの加速がより俊敏になるなど走行性能を向上できるという。Dモードではハンドリングの快適さを重視し、Sモードではよりダイナミックなハンドリングになるとしている。
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