EVユーザーは充電頻度が高く充電スタンド不足に不満:電動化
ゼンリンは、電気自動車ユーザー400人にEVの利用状況およびニーズの調査を実施した。EVユーザーは、充電の頻度が高く、充電スタンドの少なさに不満を持っていることが明らかになった。
ゼンリンは2025年1月15日、電気自動車(EV)のユーザー400人にEVの利用状況およびニーズ調査の結果を発表した。調査対象は、BEVおよびPHEVの運転経験および自宅外での充電経験がある人。インターネット上の調査で、期間は2024年9月6〜10日。同調査結果では、EVユーザーの充電頻度が高い一方で、充電スタンドの少なさに不満を持っていることが明らかになった。
充電頻度に関しては、週2〜3回程度が最多で25.3%を占める結果となった。全体の75.3%が、少なくとも週に1回以上充電すると回答した。EVは、ガソリン車と違い自宅での充電も可能だが、自宅での充電経験があるユーザーは全体の約40%にとどまり、多くのユーザーは自動車販売店や大型商業施設など、目的地や目的地までのルート上にあるEV充電スタンドを使っていることが分かった。
また自動車販売店でEVを充電している間は、約4割のユーザーが車内で過ごしていると回答。商業施設やサービスエリアなどで充電している場合は、施設内を利用するユーザーが約8割に上った。その結果についてゼンリンは「新たなビジネスの可能性が見えてきた」とコメントしている。
ガソリン車と比較して、電欠への懸念から充電頻度が多くなる中で、ユーザーが最も不満に感じている点は充電スタンド数が少ないことだ。加えて、適した場所に充電スタンドがないという回答も多く、適切な場所に適切な数のEV充電スタンドを設置することが、EVユーザーの利便性改善、EV普及への寄与につながると考えられるとゼンリンはコメントしている。
EV充電スタンドに関して必要だと思うコンテンツは、利用可能時間や満空情報などの、今から充電スタンドに行ったときの利用可否を明らかにするリアルタイムなコンテンツが上位となった。
ガソリンスタンドのように簡単に充電できる環境が整備されていないことについて、EV充電スタンドを探すための運転が必要となる点や充電待ち(充電渋滞)が起こる点は、EVの利便性改善に向けた大きな課題となっており、これらを解決するためにも、リアルタイム情報が分かるコンテンツの充実化は必須であると考えられる。
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