電気自動車の中古車での購入意欲は低い、バッテリーの消耗が不安:電動化
ネクステージは、国内の20歳〜59歳男女計1101人を対象に電気自動車の中古車購入に関する意識調査を実施した。電気自動車の中古車での購入意欲は低く、バッテリーの消耗が不安という結果となった。
ネクステージは2024年12月19日、国内の20〜59歳男女計1101人を対象に電気自動車(EV)の中古車購入に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。国内において、電気自動車の中古車購入の意欲は低く、バッテリーの消耗についての不安が目立つ結果となった。
電気自動車の所有をしている、あるいは所有をしたことがある人が回答者全体の12.3%だった。また購入を検討している、検討をしたことがある人については24%だった。
実際に次に乗り換える時に選びたい車種では電気自動車が4.1%と少なかった。現実的な買い替えの時に検討されるのは、ガソリン車やハイブリッド車(HEV)が多くを占める結果となった。
電気自動車の購入時における最大の不安については、全回答者55.9%が「充電スポットの少ない」ことを挙げた。戸建て住宅であれば、スペースの問題をクリアすれば充電スポットを設置可能だが、集合住宅で複数のオーナーが個別に充電スポットを設置することは現実的ではない。
「国内において電気自動車の充電ができる『EVスポット』が増加しているが、急速充電器の設置数はまだ少ない。さらに電気自動車の充電には急速充電で40分、普通充電なら12時間程度を要することも、エンジン車の給油に慣れているユーザーにとってネックになる」とネクステージは指摘する。
電気自動車を中古車で購入することが不安であると回答した人は全体の68.4%に上った。「普及率の低さは中古車市場の流通量にもつながるため、実際に乗っている人が周囲にいないことがより不安を大きくさせている」とネクステージはコメントしている。
電気自動車の中古車を購入検討する際に気にすることとしては、「バッテリーの消耗具合」が全体の53.7%を占めた。「バッテリーの交換費用が高いため、購入後のメンテナンス費用が不安の種となっている」と考えられるという。
電気自動車を購入することに対する不安は、回答者の運転経験や所有経験が大きく影響しそうだ。「とても不安」という回答について、「電気自動車に乗ったことがない」人については69%だった一方で、「所有したことがある」人は13.7%であり「所有はしていないが運転したことがある」人は8.7%だった。
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