アジレントが分析機器の体験ラボをリニューアル 最新のHPLCなどを体感可能に:研究開発の最前線
アジレント・テクノロジーは、最新の分析機器を使用したデモンストレーションやサンプルのテストを顧客が体験できる施設として運用してきた「芝浦ラボ(東京都港区)」を14年ぶりに改装し、2025年1月27日にリニューアルオープンした。
アジレント・テクノロジーは2025年1月24日、東京都内で記者会見を開き、最新の分析機器を使用したデモンストレーションやサンプルのテストを顧客が体験できる施設として運用してきた「芝浦ラボ(東京都港区)」を14年ぶりに改装し、同年1月27日にリニューアルオープンすると発表した。
LCやHPLCの基礎知識などを学べるワークショップも開催
芝浦ラボは、アジレント・テクノロジーが2010年11月1日に米国の分析機器メーカーであるバリアンを統合したことに伴い同日に開設された施設だ。同施設は都営地下鉄の三田駅やJR山手線の田町駅から徒歩圏内のオフィスビル1階に入居しておりアクセスしやすい。今回のリニューアルにより、分析機器の展示スペースの延べ床面積が以前の202m2から274m2に増床された。
アジレントテクノロジー ラボラトリーソリューション本部長の音川真多郎氏は「リニューアル前の芝浦ラボは、分析機器を確認したりサンプルのテストが行えたりする展示スペースと分析機器の利用方法が学べるトレーニングスペースなどで構成されていた。今回のリニューアルではトレーニングスペースを削減して展示スペースを増やした。なお、トレーニングスペースは本社(東京都八王子市)内に移設している」と話す。
展示スペースでは、リニューアル以前も設置されていたガスクロマトグラフ(GC)やガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)、元素分析装置、分子分光分析装置(ICP-MS、ICP-OES)などに加えて、新たに液体クロマトグラフ(LC)や液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)などを配置している。なお、展示スペースの各分析装置は常設ではなく、新製品の発売などに合わせて入れ替えも行う予定だ。
音川氏は「現在展示しているLCの中でも高速液体クロマトグラフ法(HPLC)システム『1260 Infinity III LC』は注目の製品だ。1260 Infinity III LCは2024年11月1日に発売された新製品で、手袋を装着したままで操作できるタブレット端末がインタフェースとなっており扱いやすい。メンテナンスガイド『InfinityLab Assistトラブルシューティング』も機能として備えており、ユーザーがこのガイドにメンテナンスのトラブルを入力すると解決方法が提案されるため、紙のマニュアルで調べる必要がない」と利点を語った。
リニューアルオープンした芝浦ラボでは、以前のように展示されている分析機器を用いたデモンストレーションやサンプル分析を顧客が体験できる他、LCやHPLCの基礎知識などを学べるワークショップも開催する。
音川氏は「リニューアルオープンした芝浦ラボのコンセプトは『アジレントの多彩なソリューションを体感いただけるラボ』だ。ターゲットとしては、食品、環境、製薬、診断、化学、先端材料などのさまざまな分野を対象に、当社の分析装置を使用あるいは検討する全ての顧客を想定している」とコメントした。
芝浦ラボの来場予約はアジレント・テクノロジーの営業担当者を介して行える。開催するワークショップなどは同社の公式Webサイトなどで告知し予約などもできるようにする予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- バイオ医薬品の開発を加速するExD セル、見えなかった解離パターンを可視化
バイオ医薬品は副作用が少なく疾患領域が広いことで期待を集めている。このバイオ医薬品の研究開発に役立つ液体クロマトグラフ飛行時間型質量分析計用の小型装置を手掛けるアジレント・テクノロジーの芹野武氏に話を聞いた。 - 薬剤品質調査の計量と分析をシームレスにつなぐプラグインを国内で発売
アジレント・テクノロジーとメトラー・トレドは、電子天びん用ソフトウェア「METTLER TOLEDO LabX Balance」からクロマトグラフィーデータシステムのアプリケーション「Agilent OpenLab CDS」に、計量結果と関連メタデータを自動でシームレスに送信できるプラグインの国内販売を開始したと発表した。 - インキュベーションが自動分注システム内で行えるサーマルサイクラー
アジレント・テクノロジーは、「JASIS 2023」で、自動分注ソリューション「Bravo NGS」やBravo NGS用の組み込み型サーマルサイクラー「ODTC」、水素ガス対応のエクストラクタイオン源を紹介した。 - 交流を活性化するオープン空間を新設、アジレントが本社事業本部をリニューアル
アジレント・テクノロジーは、東京都八王子市の本社事業所内を、業務生産性向上のための仕組みなどを取り入れてリニューアルした。オープンスペースの設置を通じて、従業員間のコミュニケーションを増やして新アイデアを創出しやすい環境づくりを行う。 - マイクロプラスチックの真の影響を見定めるために、「LDIR」で測定時間を短縮
アジレント・テクノロジーが、環境問題として注目を集めるマイクロプラスチックについて解説。併せて、高速自動分析が可能な同社の赤外イメージング技術「LDIR」を紹介した。