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薬剤品質調査の計量と分析をシームレスにつなぐプラグインを国内で発売製造ITニュース

アジレント・テクノロジーとメトラー・トレドは、電子天びん用ソフトウェア「METTLER TOLEDO LabX Balance」からクロマトグラフィーデータシステムのアプリケーション「Agilent OpenLab CDS」に、計量結果と関連メタデータを自動でシームレスに送信できるプラグインの国内販売を開始したと発表した。

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 アジレント・テクノロジーとメトラー・トレドは2023年8月1日、東京都内で会見を開き、電子天びん用ソフトウェア「METTLER TOLEDO LabX Balance」からクロマトグラフィーデータシステムのアプリケーション「Agilent OpenLab CDS」に、計量結果と関連メタデータを自動でシームレスに送信できる「LabX-OpenLabプラグイン」を開発したと発表した。両社は日本国内で同日からLabX-OpenLabプラグインの販売を開始している。【訂正あり】

LabX-OpenLabプラグインは2022年6月から欧州エリアで先行販売

 薬剤などの品質調査で行うサンプル調製(注文や規格に合わせて作ること)は、ラボのワークフローで重要とされているが、時間がかかりミスや精度の低下が生じやすく、多くの場合は高コストの品質調査や再分析が必要で手間がかかっていた。

 アジレント・テクノロジー 市場開発部門の郡明雄氏は「品質調査で生じる問題の根本原因は全体の65%以上がサンプル/資料の調製にあるとされており、特にクロマトグラフィーに使用する標準物質の調製がエラーの要因になることが多い。エラーが発生しやすい品質調査の一例を挙げると、まず化学天びんで標準物質およびサンプルを秤量(ひょうりょう)し、標準/サンプルの原液を調製する。次に、連続希釈により希釈標準溶液を作成した後、手作業で秤量データを転記し、クロマトグラフィーでサンプルを分析して、結果をレポートにする。このワークフローは各工程で計測や分析の結果を転記しなければならないため、記入ミスなどの人的エラーが発生しやすい」と指摘した。


従来(上)とこれから(下)の品質調査のワークフロー[クリックで拡大] 出所:アジレント・テクノロジー

 そこで、両社は、デジタル化された高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やガスクロマトグラフィー(GC)の計量プロセスにおける一般的なエラーを解消するLabX-OpenLabプラグインを開発した。LabX-OpenLabプラグインは、METTLER TOLEDO LabX Balanceを介して天びんの秤量結果を、Agilent OpenLab CDSのソフトウェア「サンプルスケジューラ」に自動で転送できるようにする。

【訂正:2023年8月4日19時10分 初出では「LabX-OpenLabプラグインは、METTLER TOLEDO LabX Balanceを介してLCやGCの計量結果を」としていましたが、正しくは「LabX-OpenLabプラグインは、METTLER TOLEDO LabX Balanceを介して天びんの秤量結果を」でした。お詫びして訂正致します。】


「サンプルスケジューラ」によるラボワークフローの自動化・省力化[クリックで拡大] 出所:アジレント・テクノロジー

 サンプルスケジューラはMETTLER TOLEDO LabX Balanceからサンプルとその計量の情報を取得すると、ラボ内のあらゆる機器にこれらの情報を自動転送するという。加えて、電子天びんやGCなどを、サンプルの調整と分析の自動デジタルプロセスにシームレスに統合でき、転記や計算のミスを低減し、ラボの生産性が高まるという。


「サンプルスケジューラ」のイメージ[クリックで拡大] 出所:アジレント・テクノロジー

 郡氏は「サンプルスケジューラーは、ラボ情報管理システム(LIMS)と電子ラボノート(ELN)を1つのシステムに統合した当社の『Agilent SLIMS』や他社のLIMSとも接続できる。これにより、SLIMSあるいは他社のLIMSからサンプルの分析依頼をサンプルスケジューラに送り、サンプルスケジューラで、サンプル、使用する装置、担当者、連続分析の割り当てを行い、サンプルの情報と設定を使用する装置に送ることもできる。なお、サンプルスケジューラはWebブラウザから操作でき、場所を選ばずにオンライン接続しているGCやHPLCの稼働状況を確かめられる」と述べた。

 また、LabX-OpenLabプラグインとAgilent OpenLab CDSは、デジタル化されたアジレント・テクノロジー製のHPLCやGCだけでなく、液体クロマトグラフィー/質量選択検出器「Agilent InfinityLab LC/MSD iQ」にも対応しているという。

 なお、LabX-OpenLabプラグインは2022年6月から欧州エリアで先行販売されており、次の販売エリアとして日本が選ばれている。

 価格に関して、アジレント・テクノロジーでは、Agilent OpenLab CDS、クライアントサーバ、LabX-OpenLabプラグインなどをセットにしたスターターパックを750万円〜、サンプルスケジューラを240万円〜(据え付け費込み)で販売している。メトラー・トレドでは、参考価格として、電子天びん、METTLER TOLEDO LabX Balance、LabX-OpenLabプラグインのセットを200万円以上と紹介した。


握手するアジレント・テクノロジー ラボラトリーソリューション本部長のJim Gonis(左)氏とメトラー・トレド ゼネラルマネジャーのFrank Maters氏(右)[クリックで拡大]

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