ホンダのSDVは2026年から本格展開、ビークルOSと専用ECUを搭載:CES 2025(4/4 ページ)
ホンダは電気自動車の「0シリーズ」のプロトタイプ2車種と、搭載予定のビークルOS「ASIMO OS」を発表した。
ASIMO OSやAI、0シリーズのアーキテクチャが連携することで、一人一人に最適なパーソナライズを行う。将来的に導入するセントラルアーキテクチャでは、1つのAIがそれぞれのモーダルを理解するため、クロスドメインでのパーソナライズが可能になる。
ボタンを探したり、画面の中の階層を深く掘り下げたりする煩わしい作業を乗員にさせない徹底したシンプルな操作を実現する。車載インフォテインメントの領域を担う車載Androidや、AIによるスマート化でシンプル化を図る。将来は、AIの認識能力を拡張して乗員の意図を理解し、行動を予測して先回りして提案するなどの機能を実現していく。
EV本格展開で充電関連も強化
北米での本格的なEV投入に当たって、充電網の構築やバッテリーの活用も提案する。充電網に関しては、自動車メーカー8社の合弁会社IONNAを通じて2030年までに3万口を整備する。0シリーズは充電ポートにNACS(北米充電規格、North American Charging Standard)を採用し、2030年時点では北米の0シリーズのユーザーが10万口の充電網を利用できるようになる試算だ。
AWSの生成AI「Amazon Bedrock」などの技術を活用した充電サービスの提供も検討する。0シリーズや充電網から得られるデータを分析して、充電設備の検索やシンプルな支払いなど充電体験を向上させる。
自宅充電向けには、北米で展開している充電サービス「Honda Smart Charge」を進化させる。Emporiaと共同開発している「Home Energy Management System」に、ホンダやBMW、フォードとの合弁会社「ChargeScape」のビークルグリッドインテグレーションシステムを組み合わせる。2026年以降、電気代とCO2排出削減に貢献するサービスとして北米市場などで開始する。
このサービスで0シリーズは仮想発電所(Virtual Power Plant)として一人一人に最適化した充電計画を実行する。再生可能エネルギーが活用できるとともに電気代が安い時間帯を選んで充電し、電気代が高い時間帯は家庭向けに放電することで家庭全体の電気代をマネジメントする。電力の需給が逼迫しているときは充電した電力を電力系統に供給する。電力の安定化に貢献し、EVから収入を得ることもできるという。
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