ホンダのSDVは2026年から本格展開、ビークルOSと専用ECUを搭載:CES 2025(3/4 ページ)
ホンダは電気自動車の「0シリーズ」のプロトタイプ2車種と、搭載予定のビークルOS「ASIMO OS」を発表した。
SDVを実現する高性能ECU
0シリーズで目指すSDVを実現するため、ホンダはルネサス エレクトロニクスとコアECU向け高性能SoCの開発契約を締結した。
0シリーズのE/E(電気電子)アーキテクチャは、まず3つのドメインECUに機能を集約する。今回0シリーズに投入するドメイン集約型のアーキテクチャは、車載インフォテインメント、ADAS、コアECUの3つのドメインで構成されている。将来的には、複数のECUをセントラルECUに集約したセントラルアーキテクチャを採用する。セントラルECUに機能を統合し、クロスドメインでの価値を拡張していく考えだ。ASIMO OSもこうしたアーキテクチャを前提としたものだ。
ドメイン集約型で搭載するコアECUは自動運転やADAS、パワートレイン、快適装備など車両のさまざまなシステムを一元的に管理する。自動運転システムに関しては瞬時に周辺環境を理解して処理し、先回りで判断することが求められるため、コアECUには従来のECUに比べて高い処理能力が要求される。消費電力の低減も必要となるため、TSMCの自動車向け最先端プロセスである3nmテクノロジーを使用することで消費電力を大幅に抑える。
0シリーズでは、ルネサス エレクトロニクスのSoC「R-Car X5シリーズ」にホンダ独自のAIに最適化したAIアクセラレータを組み合わせる。「これまで、ハードウェアを効率的に使えていなかったが、ホンダのAIに合わせた形にしていくことで、従来比で2倍の効率性能を発揮できるカスタム開発を進めている。レジェンドに搭載したホンダセンシングエリートと比べて50倍の省電力性能を目指す」(ホンダ 電動事業開発本部 SDV統括部 電子P/F開発部 電子P/F開発課 課長の西野知也氏)
共同開発する高性能SoCは2000TOPSの処理能力を電力効率20TOPS/Wで実現することを目指す。また、マルチダイチップレット技術の活用により、将来においても必要な機能と性能に合わせて柔軟なカスタマイズが可能だとしている。
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