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ホンダのSDVは2026年から本格展開、ビークルOSと専用ECUを搭載CES 2025(2/4 ページ)

ホンダは電気自動車の「0シリーズ」のプロトタイプ2車種と、搭載予定のビークルOS「ASIMO OS」を発表した。

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ASIMO OSやアイズオフ対応の自動運転を搭載

 ASIMO OSは今回初めて発表した。2000年にホンダが発表したヒューマノイドロボット「ASIMO」に由来する名称とした。ホンダはASIMOの開発を終了した後も、外界認識技術や、人の意図をくみ取って行動する自立行動制御などを進化させてきた。0シリーズでは、これらと先進知能化技術を融合させてホンダ独自のソフトウェアデファインドビークル(SDV)の価値を提供する。

 ASIMO OSはソフトウェアプラットフォームで、自動運転やADAS(先進運転支援システム)、車載インフォテインメントなどのECU(電子制御ユニット)を統合的にコントロールする。ASIMO OSを基盤に車載ソフトウェアを常にアップデートし、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)で車両の販売後も一人一人のユーザーに合わせて進化させていく。ASIMO OSは0 SUVや0 SALOONの量産モデルを含む0シリーズに搭載する。


ビークルOSとスマートフォンのOSの比較[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 0シリーズでは、レベル3の自動運転となる高速道路での渋滞時アイズオフを搭載し、OTAによってレベル3の自動運転の適用範囲を拡大していく。これに対応したLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)、レーダー、サラウンドビューカメラなどを搭載する。アイズオフは2020年代後半から2030年代にかけて対応する車速を広げ、高速道路でのアイズオフ達成につなげる。また、世界に先駆けて一般道も含めた全域でのアイズオフ実現を目指す。

 これに向けて、ホンダは米国スタートアップであるHelm.aiが強みとする教師なし学習によるAI画像認識技術と、熟練ドライバーの行動モデルを組み合わせた独自のAI技術によって、少ないデータ量でAIを学習させながら自動運転の適用範囲を広げる。物体認識の抽象度を高めて人間と同じように複雑なシーンを理解できるようにする。さまざまなパターンの構造物もリアルタイムな認識が可能になる。


人間のように周辺の人やモノを認識する[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 また、ヒトやモビリティの研究で培ってきた協調AIを活用して周囲の交通参加者との譲り合いなど協調行動の精度も向上させる。これらにより、急な飛び出しや落下物など想定外の出来事に対して素早く適切に対処できる信頼性の高い運転支援を実現していく。

 ホンダは2021年、アイズオフ対応のレベル3の自動運転システムを「レジェンド」に搭載した。アイズオフの普及が交通事故死者ゼロにつながると考え、0シリーズを通じてアイズオフ技術をより多くのユーザーに提供したい考えだ。


アイズオフの領域拡大に向けたAI技術[クリックで拡大] 出所:ホンダ

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