アサヒ飲料と静岡県富士宮市が「ボトルtoボトルリサイクル協定」を締結:リサイクルニュース
アサヒ飲料と静岡県富士宮市は「ボトルtoボトルリサイクル協定」を2024年12月24日に締結した。
アサヒ飲料と静岡県富士宮市は2024年12月24日、「ボトルtoボトルリサイクル協定」を同日に締結したと発表した。
2つのリサイクル手法を組み合わせる
今回の協定に基づく協働では、富士宮市の家庭から回収された使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生し新たな容器として再利用することで持続可能な循環型社会の実現につなげ、リサイクル率の向上を目指す。
「ボトルtoボトル」は、石油由来のペットボトル素材を調達し製造する場合と比較して、CO2排出量が少ないペットボトルのリサイクル法だ。
今回の取り組みでは、リサイクル時に発生する残渣を少なくするため、「メカニカルリサイクル(物理的再生法)」と「ケミカルリサイクル(化学的再生法)」の2つのリサイクル手法を組み合わせることで、リサイクル率の向上を図る。
メカニカルリサイクルの工程で発生する「残余物(ペット素材を多く含むパウダー状のもの)」をケミカルリサイクルしていくことで、メカニカルリサイクルのみの場合と比較してリサイクル率の向上を目指す。
メカニカルリサイクルとケミカルリサイクルの概要
メカニカルリサイクルは、回収したペットボトルを高温で溶かして異物を取り除いてペット樹脂を再生する手法だ。一方、ケミカルリサイクルは、ペットボトルを分子レベルにまで化学分解して不純物を取り除き、新たな再生ペット樹脂とする。
メカニカルリサイクルよりケミカルリサイクルは高品質な再生ペット樹脂を生産できるが、コスト面では大規模な分解設備などが不要なメカニカルリサイクルが優れているとされている。
メカニカルリサイクルではリサイクルの工程で全体のうち約20%の残渣が発生し、5〜10%の残余物はペットボトル以外のものへのリサイクルが主となっている。残余物の一部にはペットボトル素材が含まれているため、残余物もペットボトル原料に再生することで、効率的かつ持続的なリサイクルが実現できる。
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