生成AIを用いて2D図面を3D CADモデルに自動変換する実証実験が愛知県でスタート:メカ設計ニュース
ファースト・オートメーションとナツメは「AICHI CO-CREATION STARTUP PROGRAM 2024」の一環として、生成AIを活用し、2次元の設計図面から3D CADモデルへ自動変換するシステムの実証実験を開始する。
ファースト・オートメーションとナツメは2024年11月28日、生成AI(人工知能)を活用し、2次元の設計図面から3D CADモデルへ自動変換するシステムの実証実験を、同日から開始することを発表した。
製造業の生成AI活用 豊川エリアで実用性や変換精度などを検証
実証実験は、愛知県が主催するスタートアップと地域企業が地域の課題解決を図るプログラム「AICHI CO-CREATION STARTUP PROGRAM 2024」の一環として実施される。自動車産業をはじめとする製造業が集積する豊川エリア(愛知県豊川市)が抱える「新事業創出・DX推進の機運醸成」の課題解決を図る目的で、豊川市、豊川商工会議所、豊川信用金庫の協力を得て、ファースト・オートメーションとナツメの両社で実証実験に取り組む。
実証実験では、ファースト・オートメーションが手掛ける製造業向け生成AI「SPESILL」を活用。ナツメが作成した2次元の設計図面を生成AIに読み込ませ、3D CADモデルに変換する。実証実験の期間は、2024年11月〜2025年3月までの約4カ月間を予定し、実用性や変換精度、設計者の業務フローの検証と確立などに取り組む。
なお、実証実験で使用する2次元の設計図面から3D CADモデルに変換する技術は、Facebook Japan主催の“生成AI活用”をテーマとしたピッチコンテスト「Llama アイディアソン」でファースト・オートメーションが最優秀賞を獲得したもので、同技術を用いた実証事業は「国内初の取り組み」(ニュースリリース)だという。
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