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衛星汎用バスシステムの量産試験が完了、打ち上げと軌道上実証のフェーズへ:宇宙開発
アークエッジ・スペースは、2021年度から開発を進めてきた「6U衛星汎用バスシステム」の基本設計、開発、量産試験が完了し、打ち上げおよび軌道上実証フェーズへ移行する。
アークエッジ・スペースは2024年11月1日、2021年度から開発を進めてきた「6U衛星汎用バスシステム」の基本設計、開発、量産試験が完了し、打ち上げおよび軌道上実証フェーズへ移行すると発表した。
軌道上実証では「基本モデル」「リモートセンシングモデル」「大型アンテナ搭載モデル」「光通信対応モデル」の4モデル、7機の衛星の宇宙空間における有効性および実用性を検証する。
基本モデルは、6U衛星汎用バスシステムの基本機能と、標準搭載のIoT(モノのインターネット)通信機能を備える。3U強の縦型ミッションスペースを確保し、宇宙部品の軌道上実証などで利用する。
リモートセンシングモデルは、衛星リモートセンシング向けに姿勢制御能力を向上したモデルだ。光学、多波長、近赤外線など、さまざまな地球観測に活用できる。
大型アンテナ搭載モデルは、展開アンテナを搭載可能。VDES(海洋向け通信衛星)の軌道上実証で活用される。光通信対応モデルは、光通信向けに捕捉追尾制御などの高度な姿勢制御ができる。
同社は2025年度までに、10kg級の6U衛星の標準汎用バスシステム、量産システム、複数衛星の自動運用システムを使用し、7機の衛星による多目的衛星コンステレーションの軌道上実証を実施する予定だ。
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