小型衛星開発最短1年の実証へ、アクセルスペースが「PYXIS」を公開:宇宙開発(1/2 ページ)
アクセルスペースが2024年第1四半期に打ち上げ予定の小型衛星「PYXIS」のフライトモデルを報道陣に公開。これまで受注から打ち上げまで2〜3年かかっていた衛星の開発期間を、最短で1年に短縮可能な小型衛星プラットフォーム「AxelLiner」の実証衛星となっている。
小型衛星スタートアップのアクセルスペースは2023年12月21日、東京都内で会見を開き、2024年第1四半期(1〜3月)に打ち上げ予定の小型衛星「PYXIS(ピクシス)」のフライトモデルを報道陣に公開した。これまで受注から打ち上げまで2〜3年かかっていた衛星の開発期間を、標準化した汎用バスシステムの採用により最短で1年に短縮可能な小型衛星開発/量産/運用プラットフォーム「AxelLiner」の実証衛星となっている。
PYXISは、AxelLinerのコンセプトが今後の宇宙開発を進める企業への道しるべになることを目指して、らしんばん座の英語名から名付けられた。外形寸法は1250×1000×750mmで、質量は約145kg。アクセルスペースが展開する衛星画像サービス「AxelGlobe」向けの自社開発衛星「GRUS」よりも一回り大きい。
同社 代表取締役CEOの中村友哉氏は「現在、質量で100〜200kgの小型衛星の需要が急速に高まっており、AxelLinerはこれに応えるものだ」と語る。衛星市場では、これまでキューブサットと呼ばれる超小型衛星に注目が集まっていたが、性能向上要求によりそれらの一部のニーズがより大きな小型衛星に移行しつつある。そして、質量1000kg以上の大型衛星についても技術の進歩により一部が小型衛星でも実現可能になってきた。さらに、「StarLink」などの衛星通信サービスにおいて多数の衛星が用いられる衛星コンステレーションにより、ミッション数そのものも増加している。「これまでの衛星はミッションに合わせて一品一品をカスタマイズして開発するのが一般的だったが、これが開発期間とコストが増大する要因になっていた。AxelLinerは、高性能な小型衛星用汎用バスシステムを用意しており、ミッション側のアプリケーションをそれに合わせてカスタマイズすることで開発期間とコストの削減が可能になるというコンセプトだ。これによって、牛丼チェーンのフレーズではないが小型衛星の『使いやすい』『早い』『安い』を実現する」(中村氏)。
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