「JIMTOF2024」で金属3Dプリンタの最新動向を調査:テルえもんが見たデジタルモノづくり最前線(7)(3/4 ページ)
連載「テルえもんが見たデジタルモノづくり最前線」では、筆者が日々ウォッチしているニュースや見聞きした話題、企業リリース、実体験などを基に、コラム形式でデジタルモノづくりの魅力や可能性を発信していきます。連載第7回は「『JIMTOF2024』で見た金属3Dプリンタ最新動向」をお届けします。
(4)AZ600/三菱電機
三菱電機は、ワイヤ/レーザDED方式を採用した金属3Dプリンタ「AZ600」を開発、提供しています。レーザー照射部分に金属ワイヤを直接供給して積層造形します。レーザー光の熱エネルギーを正確に制御することで、高速かつ安定した積層造形が可能です。
さらに、AZ600は供給する材料に、市販の溶接ワイヤを使用することができます。市販の溶接ワイヤを使用するため、材料の飛散が少なく、粉末材料に比べて材料の利用効率が高いのが特長です。一般的に、ワイヤの場合は粉末材料と比べて表面が粗くなりがちですが、必要に応じて切削加工と組み合わせて表面を仕上げることも可能です。
AZ600は「世界初」(同社)をうたう空間同時5軸制御と、加工条件を協調制御するデジタル造形技術により、高い緻密度で空孔が少ない造形を実現し、複雑な形状を安定的かつ高品質に造形できます。
AZ600の最大造形サイズはφ500×500mmで、発振器出力2kWの「AZ600-F20」と同4kWの「AZ600-F40」があります。詳細なスペックなどについては、公式Webサイトを確認ください。
(5)Lasermeister/ニコン
ニコンは、既存部品の補修を行うためのアプリケーションとして、3Dスキャナー「Lasermeister SB100」と、DED方式の金属3Dプリンタ「Lasermeister LM300A」による提案を行っていました。まず、Lasermeister SB100で既存部品の3D計測を行い、破損部位の形状計測を実施し、理想形状からの差分を抽出して、補修部位の形状モデルを生成。そして、加工パスを自動生成して、Lasermeister LM300Aで金属の肉盛りを行い補修するというものです。肉盛り後は、切削加工などで最終形状に仕上げていきます。
Lasermeister LM300Aの最大造形サイズは297×210×400mmです。対応材料は、ニッケル基合金、SUS316L、ハイス鋼、チタン合金などです。Lasermeister SB100の最大スキャンサイズは、φ330×450mmです。詳細なスペックなどについては、公式Webサイトを確認ください。
(6)その他
まだまだ詳しく取り上げたい金属3Dプリンタがたくさんありますが、紙面の都合もあるため、残りは「MONOist」の記事を列挙する形で簡単に紹介いたします。注目は、PBF方式で複数のレーザーを搭載した機種でしょうか。
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