米国のバス会社向けに液化水素ステーションが完成:脱炭素
日機装の子会社であるClean Energy & Industrial Gasesグループは、米国バス会社向けに液化水素ステーションを新たに米カリフォルニア州に完成、開所した。
日機装は2024年10月28日、同社子会社のClean Energy & Industrial Gases(CE&IG)グループが米国バス会社SunLine Transit Agency(サンライン)向けに液化水素ステーションを新たに米カリフォルニア州に完成および開所したと発表した。CE&IGグループは、米国と韓国で安定運行が可能な商用車向けを中心に水素ステーションの受注を得ている。今回の開所により、全世界における納入件数は2025年に35カ所を超える見込みだ。
新たに開所した液化水素ステーションは、サンラインのバス32台に水素燃料を供給する。35MPa対応車両と70MPa対応車両のどちらの充填方式(H35、H70)にも適応しており、燃料タンクが35kgのバスであれば10分以内の充填が可能だ。
サンラインは、カリフォルニア州南部に位置するコーチェラバレー唯一の公共交通機関。営業路線は計1800kmほど、利用者は年間約300万人に及ぶ。同ステーションは、台数に制限なく連続充填が可能で、24時間営業でバスの定時運行に寄与することで、地域社会にとって重要な交通網を支える。
間もなく一般利用者向けの充填装置も営業を開始する予定だ。自家用車と商用車の両方に対応した水素ステーションは、この地域では初となる。州内の大都市ロサンゼルスとアリゾナ州の州都フェニックスを結ぶ場所に水素ステーションが設置されることで、水素燃料電池車を使った両都市間の行き来が容易になる。
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