大型化する金型加工向け立形マシニング、ロングセラー機の次世代モデルも:JIMTOF 2024
牧野フライス製作所は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」において、立形マシニングセンタ「V300」などの新機種を披露した。
牧野フライス製作所は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において、立形マシニングセンタ「V300」などの新機種を披露した。
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加工機の力で熟練者の技能を
金型向けの立形マシニングセンタである「V300」は、同社のベストセラー機である「V33シリーズ」の「V33i」を17年ぶりに刷新した。
少子高齢化を背景とした労働力不足、引退する熟練労働者の技能継承が課題となる中、これまで熟練の技能によって実現していた高い精度の維持が難しくなっている。そこで、加工機自体の能力による高精度加工の自動化が求められている。
V300は金型などの加工時における長時間の連続運転で起こる自己発熱に対し、冷却方法を見直すことで精度変化への影響をさらに抑制。環境温度によって生じる機械変形を予測し、自動制御することで精度を保つ同社独自の機能「eSTABILIZER」を搭載している。オプションで、冷却液を機械鋳物内に循環させ、機械本体温度を安定化させるベッドコラムスタビライザも利用できる。
高速かつ高精度な加工を実現するスーパーGI.制御に関しても最新のスーパーGI.6制御を搭載している。最新の送り軸機構と制御技術により、送り軸反転時に加工面に発生するスジを低減し、従来より面品位を向上させた。
無人運転時にロボットを活用できるよう、側面にはロボットシャッターを設けるなど、「自動化に対応しやすい機械をスペックから作り込んでいる」(牧野フライス製作所の説明員)。
大型化する金型にストロークの拡大で対応
立形マシニングセンタ「V900」は同社の立形マシニングセンタの中で最大のストロークを持ち、特にY軸のストロークは従来機の「V99L」より300mm大きい1300mmへと大幅に拡大させ、大型化が進む自動車部品などの金型を高能率に加工する。
最大ワーク寸法は2200×1500×700mm、最大積載重量は6t(トン)となっている。大型ワークに対応するため、機内は三方向からのアプローチが可能となっている。
切削送り速度は毎分4万mmで、主軸の回転速度は毎分20〜1万5000回転。同社製のアタッチメントを付ければ毎分6万回転も可能だ。ブースにはインストルメントパネルの金型のサンプルも展示した。
その他、パレット搬送システム運用ソフトウェア「MAS-NX」は、多品種少量生産から中品種中量生産まで各種生産形態に対応する。加工機や生産システムから収集したデータを可視化し、非効率な工程を分析してカイゼンをサポートする機能「インサイト」や加工機や搬送車、パレットストッカーなどの稼働状況を一覧表示する「ダッシュボード」、生産リスクを事前に予知、対処する「プロアクティブスケジュール」などによって自動化、デジタル化を推進する。
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