オークマが小型横形マシニングセンタ開発、さまざまな生産形態を自動化:工作機械
オークマは、小型横形マシニングセンタ「MS-320H」を開発した。機械1台の加工セルから複数台のラインまで、さまざまな生産形態を最小スペースで自動化する。
オークマは2024年10月24日、小型横形マシニングセンタ「MS-320H」を発表した。機械1台の加工セルから複数台のラインまで、さまざまな生産形態を最小スペースで自動化する。「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において実機を展示している。
移動式協働ロボット「OMRシリーズ」により、加工機の切り替えや加工部品の着脱を最適に自動化できる。加工実績がある場合、加工機の切り替えは4.5分、加工部品の着脱は天井シャッターを電動化した高速ローダセルにより5.3秒で完了する。
ローダ走行部の機械高さを旋盤と同等とし、単一ローダで加工部品の搬送に対応。ローダ間をつなぐ周辺装置を不要にし、量産ラインをコンパクト化した。機械サイズは1580×3120mmで、機械単体の設置スペースは従来機から約56%縮小している。
テーブルの最大積載寸法はφ500×400mmで、移動量はX250mm、Y250mm、Z570mmとなる。No.40サイズの主軸を搭載しており、最高回転速度は毎分1万5000回転、最大出力は25kW、最大トルクは73N・mで、鋼材部品も十分に切削できる。
また、切粉が堆積しない垂直面テーブルと、加工室全域で切粉を回収するフルセンタトラフを採用する。特別仕様のAI(人工知能)機械診断により、AIが主軸や送り軸の異常を診断し、異常を検出した場合にはその部位を特定する。省エネルギーシステム「ECO suite plus」を標準搭載するなど、高生産性と脱炭素を両立できる。
EVを含む自動車や半導体製造装置部品、建設機械、油空圧機器部品など、幅広い業種における小物部品(250mm以下)の多品種少量生産および量産に対応できる。
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